事業者向けの融資事業を2019年から開始する、という内容だ。
これはP2Pレンディングではなく、リッポーグループの元来の金融事業を活用したものになるという。
電子決済サービスは、「どこで収益を上げるか」が最大の個性と言える。
日本のサービスは、諸外国のそれに比べて店舗手数料が高めだ。
PayPayやLINE Payが店舗手数料ゼロを掲げてはいるが、それはいずれも期限付きの措置である。
一方で中国のAlipayは、消費者金融事業に参入しているため店舗手数料にあまり重きを置く必要がない。
だからこそ、永続的に店舗手数料1%未満ということができる。
もちろん、Alipay加盟店を増やすことでAlibabaグループの他のサービスの利用を促すという効果も大いに関係している。
インドネシアの電子決済サービスは、それに比べたら消費者よりも事業者を強く意識している。
言い方を変えれば、インドネシアでは「事業者=消費者」という構図があらゆる場面で成立する。
道の片隅に屋台を出している主人も、仕事が終われば自らのために買い物をする。
電子マネーとそれを管理する電子ウォレットがあれば、今日の売り上げを即座に個人的な消費に回すことができるのだ。
そうした光景を実現させるには、数あるキャッシュレス決済の手段の中でもQRコードを介したものが必要不可欠である。
利用客が自分で金額を入力する方式であれば、事業者が用意するのはQRコードが印刷された紙1枚で済むからだ。
OVOは2018年中、前年比400%のサービス利用者を獲得した。
これは配車サービスGrabや現地eコマースTokopediaとの連携も大きいが、やはり現地の中小零細事業者を視野に入れた戦略が奏功したのではないか。
ひとくちに「電子マネー」や「キャッシュレス決済」といっても、その定義は国によってまちまちだ。
これほどライター泣かせの分野もないかもしれない。
日本の場合、電子決済サービスがチャージ式の電子マネーを用意する必要はあまりない。
決済を銀行口座やクレジットカードに直接紐付けし、それに不便を感じる国民が少ないからだ。
しかしインドネシアの場合は、国民の半数が銀行口座を保有していない。
決済サービス事業者が、同時に電子ウォレットを提供しなければ普及は難しいという事情がある。
故にこの国では「電子決済事業者=電子マネー事業者」という認識であっても支障はない。
国が変われば同一分野でもその個性が違うということを、我々外国人は鑑みるべきだろう。
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