GDP成長率約7%を維持する近年の経済成長と所得水準の上昇に伴い、カンボジアの首都プノンペンの飲食店数は増え続けています。
近隣諸国と異なり、外資100%での開業が可能なカンボジア。
2013年頃から日本人を含む外国人経営の飲食店が増え始め、出店・閉店による入れ替わりがありながらも、その数は着実に増加しています。
最近では海外の有名チェーン店も、直営や現地有力企業と組んだフランチャイズの形で続々と出店中。
そんな中、新規出店場所の傾向については、少しずつ変化も見られます。
ここ数年の間に、外国人経営店や有名チェーン店の新規出店が相次いだ人気エリアは、ボンケンコンⅠと呼ばれるエリア。
外国人向けの高級コンドミニアムや現地富裕層の邸宅等が立ち並び、カフェ激戦地とも言われるこのエリアには、「STARBUCKS」や、現地資本で不動の人気を誇る「BROWN COFFEE」、現在カンボジア国内で急速に店舗展開中のタイのフランチャイズチェーン「Cafe Amazon」等も、もれなく出店をしています。
ボンケンコンⅠエリアは、現地中間層以上や外国人をターゲットとするビジネスを行う場合には、真っ先に選択肢に入るエリアですが、家賃高騰により撤退を余儀なくされる店舗も少なくなく、最近ではこのエリアでの出店も数年前に比べるとやや落ち着いている感があります。
では、ボンケンコンⅠ以外ではどこで新規出店が多くみられるのでしょうか?
ボンケンコンⅠに比べて地価が安く、外国人向けのアパートの増増加により新興住宅地としても注目されるトゥールトンポンエリアには、日本人をはじめ外国人経営の店舗が多く出店されていますが、最近ではその他のエリアにも分散して新規出店が行われているように見えます。
そして、新規出店場所候補の一つとして注目されはじめているのが、“レーン”や“ハーフ”と呼ばれる路地裏です。
現在、もっとも賑わいを見せている路地裏は、ボンケンコンⅠエリアの東側。
トンレバサックエリアに位置するBassac Lane(バサックレーン)といえましょう。
大人気のピザ屋「Piccola Italia」等の飲食店が立ち並ぶストリート308から細い路地を入って裏手へ。
Bassac Laneとは、ここに広がる一帯のことを指します。
以前はごく普通の古い民家が集まる場所にすぎませんでしたが、ニュージーランド出身のNorbert-Munns兄弟の仕掛けにより、今ではプノンペンのBarシーンを語る上で外せないところとなっています。
Norbert-Munns兄弟は、2013年~2014年にかけ、食前酒バー「Seibur」、バー&グリル「Meat & Drink」、クラシックカクテルバー「Cicada」、ダイキリバー「The Library」など、コンセプトの異なる小規模なバーを、ここBassac Laneに次々とオープンさせました。
現在では、兄弟が運営する店舗を含めた11店のバーのほか、ブティックや革用品店等が所狭しと立ち並び、連日欧米・オセアニア系の外国人顧客を中心に客足が絶えない状況です。
また、少しずつですが、カンボジア人顧客の姿も見られるようになってきています。
明確なコンセプトに沿った洗練された内外装の店舗が立ち並ぶこの一帯は、ここがカンボジアであることを忘れてしまうほどのお洒落な異空間。
近距離に何軒ものバーが隣接しているので、ハシゴをしながら親しい友人とゆっくり語らいたい夜にもぴったりです。
2016年には、日本人経営のラーメン屋「MASAMUNE」もこの一帯にオープン。
締めのラーメンを求めて集う日本人顧客のほか、サイドメニューをつまみながらバー感覚で利用している顧客も多く見られます。
さて、実はNorbert-Munns兄弟。
Bassac Laneをプロデュースする前からプノンペンの路地裏に目をつけていました。
2012年、兄弟は、240 1/2(240ハーフ)と呼ばれる路地裏に、2人が手掛ける最初のバー「Bar.Sito」をオープンしています。
外国人経営のお洒落なブティック・雑貨店などが立ち並ぶ閑静なストリート240の裏手に広がる240 1/2(240ハーフ)には、現在他にもビーガンカフェや雑貨店が立ち並び、知る人ぞ知る隠れスポットのような雰囲気で、賑やかなBassac Laneとはまた違った趣を呈しています。
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