日本を代表する老舗の羊羹メーカーが出展する、世界最大の羊羹の展示会、「YOKAN COLLECTION 2017」がシンガポール国立博物館で10月26日から29日の4日間開かれた。
今回の「YOKAN COLLECTION 2017」では日本全国の羊羹メーカー15社及び原材料メーカーやパッケージ会社が共同で羊羹の展示、試食、制作実演及び商談会を行った。
羊羹の歴史や原材料を紹介する展示および各社の羊羹をパッケージと共に紹介。
さらに、和菓子職人による羊羹作りの実演や、抹茶がふるまわれるティーセレモニーも開催された。
中に入るとまず一番はじめに各社の羊羹が展示されている。
パッケージや形状など、同じ羊羹ではあるがどれもユニーク。
そして、羊羹の原材料についての展示。
英語のガイドでは、羊羹の原材料はシンプルながら地域性が出ており、その様子はさながらウィスキーのよう、とたとえられていた。
こちらは日本最古の羊羹のレシピ本。
羊羹を駅で販売していた当時に使われた木箱。
今回は各社自慢の羊羹を出展。
カカオや黒糖を使った少し珍しいタイプの羊羹も。
色はどちらも黒っぽいが、味は全く違うので試食した観客も驚いていた。
また、このYOKAN COLLECTIONのために開発したというものも。
きびだんごが有名な廣榮堂(岡山)が出品したのは白桃の羊羹。
岡山名産の高級桃、清水白鳳をふんだんに使った羊羹は、このYOKAN COLLECTIONのために作ったオリジナル商品で市販もまだされていないもの。
収穫できる期間が2週間と旬の短い清水白鳳をコンポートにして羊羹に入れたそう。
桃のフルーティーな香りを楽しめる羊羹となっている。
味だけでなく、柔らかさもこの羊羹の特長。
伊那食品の新製品「やわら」というアガーを使って柔らかくももっちりとした食感を出しているそう。
栗蒸し羊羹やピーナツの形をした最中が有名な、なごみの米屋(千葉)が出品したのは虹色の羊羹。
これはシンガポールと日本をつなぐ虹の架け橋をイメージしたと言い、これもYOKAN COLLECTIONのために作ったものだそう。
YOKAN COLLECTIONでは和菓子職人がこの虹色の羊羹に丁寧に細工を施していた。
同じ羊羹なのに形が違うだけで、全く雰囲気が異なるのが印象的。
羊羹はそのままで食べることが多いが、実はこのように色々な形に加工でき、クリエイティビティ溢れるものであることを伝えたかったと米屋の担当者は話す。
この羊羹は、細工をすることを前提としているため通常のものより柔らかく作られているそう。
英語での説明に聞き入る参加者。
抹茶のお点前を近くで楽しむことができるティーセレモニー。
とらやの羊羹とこんぶ風味の羊羹をお抹茶と共にいただくことができる。
2010年から始まったYOKAN COLLECTIONは江戸時代から人気が高く、今でも根強い人気の羊羹をより知ってもらおうという思いから開催されている。
2016年にパリにて海外で初開催され、2017年の今年はシンガポールで行うこととなったそう。
シンガポールでは、羊羹を「chewy jellied dessert」と表現して日本文化のミニマリストな側面を感じられるお菓子、と紹介していた。
まだ、日本のお菓子として海外での認知度は高くない羊羹だが、こういった展示で少しずつ広まって欲しい。
YOKAN COLLECTION 2017
Website: http://www.yokancollection.jp
Facebook: https://www.facebook.com/YOKAN.Collection.JAPAN/
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