世界的に人気のラーメン。
もはや寿司と並ぶ代表的な日本食とも言える。
クアラルンプールにも「一風堂」「麺屋武蔵」「山頭火」などの有名店が進出し激戦区となっている。
その中で今回はクアラルンプール市内のローカルエリアで奮闘する日本人のラーメン店店主にインタビューを敢行した。
クアラルンプール市内北部の中華系マレー人が多く住むバンダー・メンジャララ(Bandar Menjalara)。
昔ながらのショップハウス(※1)が連なる活気と生活感あふれるローカルエリアだ。
世界からの観光客が訪れるクアラルンプールの中心部や、日本人が多く住むエリアではなく、2016年6月、このメンジャララに満を持してラーメン店「麺屋大和(めんややまと)」をオープンさせたのがオーナーの鈴木正さん。
近隣エリアの在マレーシア日本人のみならず、ローカルの常連も多く訪れる人気店だ。
都内の有名ラーメン店で10年以上修行をし、激戦区の新宿で店長となり、100人以上のスタッフを育ててきた。
そんな鈴木さんだが、日本とは商習慣をはじめ全く勝手の違うマレーシアで試行錯誤の連続だったという。
—まず最初にマレーシアを選んだ理由をお伺いしてもよろしいでしょうか?また、どちらかというとローカルが多く住むエリアで開業しているのも気になるところなのですが。
そうですね、話すとちょっと長くなるのですが(笑)……
僕は都内のラーメン店で10年以上修行をし、店長になったんです。
新宿店です。
スタッフを教育したり、店の運営など学ぶことは多くやりがいはありました。
でも続けていくうちに「独立したい」という気持ちが強くなったんです。
うちの店の場合、そこ(店長)から上というのがマネージメントっぽい感じになってしまい、独立ではないんです。
迷いましたが自分の納得いく味で店をやってみようと。
それならばどこで新規開業するかって考えた時に、都内はもう(ラーメン店は)飽和状態かなって。
そこで気になったのがマレーシアだったんです。
長期滞在したい国として人気と耳にしていたし、上位によくランキングされたりしてるなって、ふと思って。
同じアジア圏だし、まだまだこれからという勢いも感じて、(開業)候補として調べみたり。
そこで協力をしてくれる人などが見つかって、思い切ってマレーシアへ来たんです。
店をメンジャララでやることにしたのは協力をしてくれる人が近くに住んでいたのと、それと自分のラーメンは原価率がすごくかかるのもあって……家賃なんかとのバランスなんですよ。
やっぱり日本の食材じゃないと納得がいかない時は、妥協しないでふんだんに使っているので。
特にローカルエリアを意識して出店した、というわけでもないんです。
–日本とマレーシアの違いや、苦労した点などはどういったところでしょうか?
まず苦労に関してですが、勝手が違う海外に出て行くわけですから「あってあたりまえ」と覚悟はしていました。
国や文化が違うわけじゃないですか、だから日本では当たり前のことでも当然通用しないわけです。
あと日本の店長時代の経験もあって、なんとか乗り越えてきたかなという。
いや、もちろんまだまだいろいろありますが。
違い……に関しては、食材ですね。
例えばスープ用の豚骨、日本は砕いて(業者さんが)持ってきてくれるんですが、こっちはそういうのがなくてね。
丸ごとごっそり持ってくるんですよ。
それを割るところから始まる。
あれはかなりの重労働ですね(苦笑)。
あと必要なものがどこで手に入るかというのがわかるまで大変でした。
ネットとかでも調べたりするんですが、やっぱり実際にここにきて(クアラルンプールに来て)探さないと、わからない部分っていうのがかなりありましたね。
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