ー バインミーの名店で修業した店長が作る本格的な味が好評で、次々と新たなメニューを開発し話題性も富んでいる「nicoバインミー」。オーナーの堀越氏が飲食業界に足を踏み入れたきっかけとは?
学生時代に友人と音楽イベントの会社を立ち上げたのですが、システムエンジニアとしてソフトウェア関連の企業に就職してからも、「週末起業」のような形で会社を続けていました。数年間、二足のわらじを履き続けていたのですが、2011年3月11日の東日本大震災をきっかけに「人生は有限なんだ、やりたいことは今やろう」と考えるようになりました。そこで、自分たちの音楽フェスティバルを作りたいという夢に向かって活動を開始。その一環として、フェスで提供されている「フェス飯」も自分たちで手掛けたいと思うようになったのですが、飲食経験のあるメンバーが一人もいませんでした。私はもともと食べることが好きだったため、昼間働きながら夜間は調理師学校に通い、調理の勉強をスタート。これが飲食業界に足を踏み入れたきっかけです。
ー 出店する料理は、どのようなものにするかなどの構想はありましたか?
いえ、音楽フェスで食べたい料理というイメージしかありませんでした。専門学校の同級生たちと、大小様々なイベントで提供されているフードの食べ歩き、高級レストランや居酒屋、スイーツやテイクアウト専門店など、多様な飲食店を訪れました。そんなある日、高田馬場(東京都新宿区)の名店「バインミー★サンドイッチ」を訪れた際に、おいしさに衝撃を受けたのです。私はその時初めてバインミーを食べたのですが、片手で持つことができるので音楽フェスの出店に最適だと思いました。
また、サラリーマン時代は都内のオフィス街に勤務していたため、大手チェーン店にも並ばないと入店できない、という経験をしていました。バインミーだったら、野菜もしっかり取れて 栄養バランスがいいのに、スピーディに食べれて、忙しいランチにはぴったりだと思いました。ランチ難民問題の解決もでき、フェス飯としても最高なので、バインミー屋の開業を決意しました!
ー バインミーと運命の出合いをされたのですね!
まさに運命の出合いだったと思います。一緒にバインミー★サンドイッチを訪れた同級生も同じようにバインミーに魅力を感じたようで、こんなに美味しいバインミーが作れるようになりたいと、同店で働くことを即決していました。現在彼女は当店で店長を務めています。
私は、バインミーを食べたその日に、開業計画を策定しました。ほぼ毎週パンや具材の試食会を実施し、計画策定から開業まで約2年かかりました。上述したランチ難民の経験もあり、出店地区はランチ需要過多のオフィス街と決めていました。また、パンを焼く設備を配置するには10坪は必須だったため、オフィス街の裏通りで坪単価の安い路面店を探していました。なんとか物件が決まり、レイアウト設計や厨房機器の選定、メニュー開発などなどまさに怒涛の日々を過ごし、周囲の多大な協力を得て、2018年5月に開業することができました。
ー オープン後のお客様の反応はいかがでしたか?
開店工事段階から、店頭の張り紙やSNSでの告知、近隣へのチラシ配りなどを行っていました。そのため、オープンからたくさんのお客様にご来店いただくことができました。まだあまりバインミーの知名度が高くない時代だったため、興味を持っていただいたようです。
ー なじみのない料理でも受け入れられましたか?
そうですね、栄養価が高く身体にもいいこと、片手でサクッと食べやすいことなどからリピートしてくださるお客様が多くいらしゃいました。バレンタインや花見などイベントがある時にはその時期限定のバインミーの提供を行い、多くの方に楽しんでいただいています。現在でも本場ベトナムのバインミーの味に近付くことができるよう、日々改良を重ねています。
ー オープン後大変なことはありましたか?
初めての飲食店経営なので、大変なことばかりでした。お客様の対応からオペレーションまで毎日細かい問題が発生するので、営業後にはミーティングを行い、その日のうちに解決するということを今でも徹底しています。特に今回の新型コロナの流行では、繰り返し改善してきたオペレーションの効果が発揮できていると感じています。
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