マレーシアで定着している日本食の筆頭ともいえる寿司。
以前にも回転寿司チェーンについてお伝えした。※記事はこちら。
英系ディスカウントスーパーのテスコ(Tesco)などで販売されている寿司は、1貫あたりRM1(約30円)ほどのこともある。
日本の感覚からするとネタも含め驚きの値段設定だが、マレーシアならば妥当なところ。
さらにはショップロット(マレーシア風店舗兼住宅付長屋)が連なるローカルエリアにも寿司店を普通に見かける。
今回は新規オープンした日本食と回転寿司の「WASABI(わさび)」を訪ねてみた。
店舗の周辺は典型的なマレーシアの商店街の風景が続いている。
このあたりでは1食あたりRM5-7(約137-191円)で食事ができる屋台街となっている。
マレーシアは他民族国家。
宗教や民族により生活習慣などにそれぞれ特徴がある。
一般的に言われるのが、マレー(モスリム)系は豚肉や酒、一部仏教徒とインド(ヒンドゥ教)系は牛肉はタブーとされる食材。
だが中華系は基本的に制約がないことが多い。
そのためローカライズされた寿司店(日本食レストラン)は、どちらかというと中華のテイストを色濃く反映しているケースが目立つ。
海外で寿司が広まるにつれ生モノ(魚の生食)に抵抗がなくなってきたのはマレーシアも同様である。
とはいえ「寿司は家族みんな大好きだけど、生モノもネタによっては抵抗がある」と話す中華系マレーシア人が多いのも現状。
WASABIの店内。ボックス席に沿って寿司レーンがある。
皿の色によって値段が違うのも日本と同じ光景だ。
だが、ネタを見ると、生モノはほとんど回っていないのに気づく。
気になる1皿あたりの値段はRM1.9-4.9(約51-133円)と店内飲食ながらかなり低価格におさえてある。
焼き穴子やうなぎ、炙りサーモンがかろうじて生モノ(raw fish)と言えるが、日本の回転寿司では一般的な、マグロやイカなどはスタッフにオーダーしなければ出てこない。
多いのは天ぷら、合鴨&チーズ、ホタテの貝柱風フライなど火が通っているもの(cooked dishes)ばかりだ。
店内はオープンエアの屋台とは異なり、エアコン完備である。
また皿には透明のフタが乗せてあり、衛生面でも管理されている。
実はマレーシアでは、メニューや寿司の種類を見ると、だいたいのターゲット層がわかることが多い。
火が通ったネタ、海鮮以外の丼モノ、麺類などが多い場合は中間所得層の中華系向けといった傾向があるようだ。
実際にWASABIの店内を、ほぼ中華系マレーシア人が占めていた。
回転寿司の体(てい)でありながら、意外とレーンから寿司を取らず、むしろメニューブックから注文をする客が多いのも特徴だ。
マレーシア人の中には寿司は前菜とみなしている人も多い。
握り寿司メニューで一番値段が高かったのがSalmon Moriawase(サーモン盛り合わせ)でRM25.9(約706円)。
実際に出てきたのがこちら、トロサーモン、炙り、明太マヨ炙り、刺身。
寿司8貫と刺身3切れがゲタに乗せて提供される。
マレーシアではサーモンは生でもネタとして一番人気である。
味は普通で、酢飯も甘すぎず(マレーシアでは酢飯が甘いことが多い)、気になるサーモンの鮮度も悪くはなかった。
チェーンの回転寿司よりも全体的に安いのが人気なのか、ディナータイムは18時半を過ぎると満席となり、店の前に列ができていた。
平日の夕方で立地を考えるとオープンして間もないとはいえ、かなりの人気であることがうかがえる。
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