人気のラーメンは「醤油らーめん」(18.80リンギット)「チャーシュー麺」(24.80リンギット)「赤富士らーめん」(24.80リンギット)。
(ラーメンの写真提供=グリーンコーポレーション)
居酒屋の春田屋に関しても、カウンター席は設けておらず、ファミリー利用が主流。日本酒、焼酎をはじめとして酒類も取り扱ってはいるが、日本人客利用の域を超えていないようだ。
春田屋は日本では焼きトンをメインにした居酒屋業態だが、こちらでも居酒屋として運営しているものの、日本と同じメニューのラインナップではない。ファミリーレストランのような感覚で、地元の人に受け入れられている。日本の春田屋では提供していない「御膳」メニューが定番となっており、豚生姜焼きや焼きサバ、カツ煮などの御膳が人気だ。新幹線型にご飯を盛りつけたかわいらしい「お子様カレー」(15.80リンギット)も、ファミリー客からかなりの人気が出てきているそうだ。
(カツ煮御膳、お子様カレーの写真提供=グリーンコーポレーション)
人気の定番は、「すし」「天ぷら」「御膳」「カツカレー」。麺類では「天ざるそば」、単品では「ししゃも焼き」「茶碗蒸し」「かつ重」など。サーモンを使ったすしや刺身は、中華系の人が好む「鉄板」メニューだ。
ディナーどきに人気なのは「北海道寄せ鍋」(187.60リンギット)。鍋料理は中華系民族にとってもなじみがあり、また彼らが好む鮭を1匹まるごと使っているのがポイント。さらに魚の頭をあえて載せていることから、見た目のインパクトも絶大。家族連れが満足するように3~4人前に相当するたっぷりめの量で提供している。
(北海道寄せ鍋の写真提供=グリーンコーポレーション)
「ようやく吹っ切れるようになったんですよね」と、メニュー開発について話す田伏マネジャー。日本食だからといって、日本と同じようなメニューを揃えたり、日本の和食の常識にとらわれたやり方だけでは、ローカルのお客に受け入れられにくいことが分かってきたのだという。
「例えば、日本だと刺身を提供するときに、飾りつけはほどほどにシンプルに提供するのが美しいといった美的感覚が一般的だと思うのですが、こちらでは見た目が”派手”でないとお客の目に止まらないんです。日本人の僕から見れば、ごちゃごちゃしているなぁ、と抵抗感があるんですが、もっとお客さんの目線によっていこう。お客さんにとっては、これが美しくて、こうすると嬉しいんだな、と考えながらメニュー開発をしていこうという考えに至りました」。
とはいえ、日本から進出した飲食事業者のプライドを曲げるわけではない。「日式レストラン」にはしないという思いが根底にあり、「日本食の伝道師」という役割を諦めているわけではなさそうだ。照り焼きチキンのメニューをキッチン担当のリーダーであるローカルシェフが開発した際には、現地の刺激の強い味のソースを使っていたため、日本の照り焼きソースを使うように指示し直すなど「日本のエッセンスを必ず持っているメニューでないと採用しません。見た目は派手でも、日本の味にこだわり、変な味にはさせません」と、日本人が厳格にコントロールすることで、ブレのないメニュー開発を目指している。
日本酒のローカルの人々への普及も諦めていない。料理とお酒のペアリングメニューをプロモーション価格で提供するなど、まずは知ってもらう努力を重ねていくという。
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