新型コロナウイルスの感染拡大への懸念が消えない中、日本では東京五輪の開催を巡って分断が続いていますが、日本からタイへの渡航では希望の光が見えてきています。
日本の外務省は2021年6月15日、タイやマレーシア、インドネシア、ベトナムなど東南アジア諸国に英アストラゼネカ製のワクチンを提供することを発表しました。
既にベトナムには100万回分のワクチンが届き、タイやマレーシアなどへは7月上旬から提供が開始されるということです。
これまでワクチン外交を積極的に展開してきた中国は政治的な狙いがあるとみていますが、今後は日本が提供したワクチンの接種が各国で進み、国際的な経済活動が再び日常を取り戻すことが期待されています。
そのような中、タイのプラユット首相は16日、すでに接種を開始しているアストラゼネカ、新型コロナウイルスのワクチンを製造している中国のシノバック・バイオテックに加え、米国のモデルナ、ファイザー、ジョンソン・エンド・ジョンソンなどと交渉し、合計で1億550万回分のワクチンを購入する契約を交わしたと発表しました。
10月上旬までには、国民の70%以上に当たる5000万人が1回目の接種を完了できる計画です。
タイでは2021年4月以降、新型コロナウイルスへの感染者数が鋭く増加傾向になり、5月17日には1日で9600人あまりの感染が確認され、市民の間では警戒が強まりました。
以降は幸いにも減少傾向となっていますが、それでも1日の感染者数が2000、3000人に上っています。
近年、タイでは若者を中心に政権や王室への抗議デモが相次いで発生しており、プラユット政権としては、ワクチン接種を進めることで国民の政治的信頼を回復したい狙いがあるでしょう。
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