北海道発の高級家具メーカー「カンディハウス(CONDE HOUSE)」(本社=北海道旭川市)が、シンガポールでの販売を本格化しています。カンディハウスは東京、大阪など日本の主要都市にも直営店を構えているので、ファンの方も多いのではないでしょうか。
カンディハウスは、地場の家具販売業GRAFUNKTをシンガポール国内における販売総代理店に指名。シンガポールでマルチプルブランドとして展開する「Grafunkt」と、フランスの高級家具ブランド「Ligne Roset(リーン・ロゼ)」の2店舗に加え、3店舗目としてカンディハウスのお店をオープンしました。お店では、常時70〜80点の家具を展示販売しているそうです。またGRAFUNKTは一般客への販売のほか、高級ホテルやおしゃれなカフェなど業務用にも家具を販売してきた実績があるそうです。
コ・ファウンダーのジェフェリーさんは、シンガポール市場について
「メイドインジャパンの価値を認め、日本のクラフトマンシップにアプレシエイトしている消費者が多いからね。まだスモールだけど、確実にミドルからハイクラスの層に需要があるよ」と、日本の高級家具ブランドの取り扱いを決めたといいます。
9月29日には、日本から社長やデザイナーらが来星し、オープニングイベントが開かれました。出席者の中には、新居への引越しを機に、ソファーやダイニングテーブル、椅子など、主要な家具をここで一通りそろえたという顧客の姿も。30点ぐらい購入したそうです!
店内にいらした40代シンガポール人男性は、この店に奥様と一緒に訪れ、こちらの家具のデザインや品質に惹かれたそう。3児の父というこの男性、「100年後を見据えたインベストメントだといえるかな。安価な家具で揃えるのとはまた違った体験ができるからね」と語ってくれました。
カンディハウスはASEAN市場について、一国につき一社と販売総代理契約を交わして販路を拡大していく考えで、ASEANでは、現在マレーシア、タイ、フィリピン市場についても、市場調査に乗り出しているといいます。日本の家具のサイズが欧米の高級家具ブランドと比べてアジアの人々にマッチしやすいことや、輸入コストの観点からも欧米勢の高級ブランドに対しても、価格の競争力が保てるのではないかと見ているようです。
とはいえ、日本とこちらでは勝手が違う部分も多々あり、細かい配慮が求められているようです。「たとえばシンガポールの場合、ダイニングテーブルでも日本より3cmほど高いサイズのオーダーが入ります。ご飯を食べる姿勢なども、日本人とは少し違うので、日本と全く同じサイズでいいということではなく、現地の要望に細かく対応していく必要がありますね」(カンディハウス・染谷哲義取締役マーケティング本部長)。
そもそも東南アジアでは、家具が安く手に入りますし、日本でも多くの東南アジア製の家具が販売されています。また、IKEAなど世界的な量販メーカーの東南アジア諸国連合(ASEAN)進出の動向も気になるトコロで、そういう意味では、競争環境はなかなか厳しいともいえるでしょう。日本の職人気質で丁寧に作られた高級家具が、ASEANの経済成長に伴い、どのようにこちらの人々に受け入れられていくのか、目が離せません!
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