ー 現地で仕入れた新鮮な食材を使用し、毎日手作りするハンバーガーが人気の「Burger Bros」。オーナーの池上氏が飲食業界に入ったきっかけとは?
高校卒業後、祖父が築地(東京都中央区)で営んでいた魚屋で働く傍ら、バンドマンになるという夢を追いかけていたのですが、貯金が底をついてしまいました。それがきっかけで真剣に自分の将来について考えるように。料理が趣味だったことから、25歳の時に銀座のイタリアンに就職しました。
― 飲食店で修業をスタートされたのですね。
そうです。その後も3年ほど、さまざまな業態の飲食店で働いていたのですが、もともと海外が好きだったこともあり、国外で仕事をしてみたいと一念発起し、アメリカの求人に応募。29歳で単身アメリカに渡り、現地ですし店、焼肉店、焼鳥店、ラーメン店の立ち上げなどを経験しました。6年ほど仕事をしているうちに、独立願望が芽生えてきました。
ー そのままアメリカで独立をしたいと?
アメリカでの独立も考えましたが、日本食が売れる都心に出店するには、物件調達などの開業資金として最低でも3,000万円くらい必要でした。アメリカは特に高いのです。そんなとき、ベトナムに移住した友人から数百万円で開業できるという話を聞き、2015年に視察に行きました。活気溢れるベトナムに魅了され、「ここで独立する!」という意志を固め、同年中に渡越。ベトナム中部に位置し、有数のビーチリゾートとして知られているダナンに移住しました。
ー 移住先をダナンに選ばれた理由とは?
日本人駐在者が最も多いホーチミン、首都ハノイ、ダナンと、ベトナムの主要3都市を視察したのですが、最も住みやすいと感じたからです。サーフィンが趣味なので、海に面しているという点も選んだ大きな理由ですね。当時のダナンには、日本人在住者が少なかったためビジネス面で不安はありましたが、知人の紹介で物件、パートナーとスムーズに契約でき、2015年5月にはBurger Bros Beach side店をオープンしました。
ー なぜ、ハンバーガー業態を選ばれたのですか?
私の大好物だからです(笑)。周りからは日本人がハンバーガー!?と反対されつつも、とりあえずオープンしました。最初は鳴かず飛ばずでしたが、常連の方が毎日SNSにアップしてくれたことで口コミが徐々に広がっていき、翌夏には2店舗目をオープンすることができました。
ー 1年ほどで2店舗展開されたのですね!
おかげさまで、独立時から抱いていた多店舗展開の構想に近付くことができました。しかし、店舗とスタッフが増えていくにつれて、教育面での課題を抱えることにもなりました。文化や感覚の違いがあり、例えば、テーブル用のタオルで床を拭かないなど、日本人の「当たり前」が通用しないのです。ゼロから丁寧に教え込む必要があると学びました。
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