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【TOP INTERVIEW】GRAND CASTELLA 津森結花氏

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飲食店の苦境をチャンスに。自社デリバリーに力を入れ知名度を向上

ー どのような新型コロナウイルスの影響がありましたか?
マニラではロックダウンと交通規制が行われ、「フロントライナー(※)」と呼ばれる人のみ、特別な許可証が付与されて街間の移動を許されました。グランドカステラを生活必需品として登録し、店舗スタッフもフロントライナーに認定してもらうことができました。スタッフは通行許可証を手に入れられたものの、交通手段がないため通勤ができません。慣れない土地ではありますが、早朝から私自身が車を運転し、各スタッフの自宅まで迎えに行きました。もちろん、毎日自宅まで送ってもいきます。体力的にはつらかったですが、おかげで、連日、無事に営業できました。

(※)コロナ禍における医師や看護師、生活必需品を提供している店舗の従業員など、感染リスクを負っても業務に従事している方。

ー スタッフの送迎を自ら行われたのですか!? 他にも交通規制による影響はありましたか?
交通規制ではないのですが、ロックダウンされたことでデリバリー需要が急増しました。大手有名デリバリーサービスでも配達員が不足してしまい、配達の遅延に繋がることに。当店では、この事態を見越して、大手デリバリーサイトへの掲載をあえてストップし、ロックダウン開始後すぐに自社便での配達を開始しました。バイクドライバー10人、カスタマーサービスを5人雇用し、受注と物流のシステムを構築。トラブル回避のために、最初は身内へのデリバリーで問題点の洗い出しなどを行い、万全の体制を整えてからSNSなどで告知しました。多くの飲食店が休業する中での営業ということもあり、たちまち話題となり、やや遠方にお住いのお客様にも興味を持っていただけるようになりました。フィリピン国内の体制が整ってきたので、現在は日本に帰ってきて出店を進めています。

ー このご時世で、日本での出店に取り組もうと思ったのはなぜですか?
日本では、本場とは全く異なる台湾カステラが流行し始めていたからです。「日本に本場台湾の味を伝えなくては」という想いから、このタイミングで進出しました。
もともと世界への展開を視野に入れていたので、フィリピンの店舗から離れても滞りなく店舗運営ができるように、人材育成に力を入れていたのです。現在、フィリピン店舗を任せられる人材が育ったので、日本1号店のオープンに専念することができました。

 

「GRAND CASTELLA」今後の展開・夢とは

ー 現在の店舗について教えてください。
現在、「GRAND CASTELLA」はフィリピンに1店舗、2021年5月3日にオープンした日本1号店「GRAND CASTELLA 東京スカイツリータワーソラマチ店」(東京都墨田区)を展開しています。日本1号店はオープン以来、複数のテレビ番組や雑誌で取り上げられ、商品の入手が困難になるほど賑わっています。今後、フィリピンは2021年中に5店舗まで拡大させることを目標としていて、日本も9月の大宮駅(埼玉県大宮市)への出店を皮切りに、多店舗展開を予定しています。
ブランドは異なりますが、マニラ郊外に2022年6月開業予定の「MITSUKOSHI」にカレーの名シェフとともに「八丈島カレーHACHI」を出店します。第2の故郷であるフィリピンに、さらに日本食文化を広めていきたいです。

生地と一緒に揺れ動く、表面の波模様が目を引く「プレーンカステラ」

ー 今後の展開とは?
日本国内で「GRAND CASTELLA」の知名度を向上することです。出店する国によって価格設定、ターゲット選定などまったく異なるため、実際に現地で相場や戦略などを、しっかり練る必要があります。
私は日本、フィリピンと2ヶ国に出店していますが、GRAND CASTELLAブランド全体としては、台湾を拠点として全世界7ヶ国に進出しております。今後も台湾本店の方と協力しながら、アジアに限らず世界にGRAND CASTELLAを広めていきたいです。

ー 最後に夢は何ですか?
夢は、食を通じて国と国を繋ぐことです。実際に飲食店を出店してみて、本物の日本食を伝えるという意味でフィリピンの飲食業界に対する和食の進出余地は高いと感じています。そのためにも、現地で培った飲食店経営のノウハウを生かし、飲食店プロデューサーとして多くの日系飲食店のフィリピン進出をサポートしたいです。日本食でフィリピンを盛り上げられたらすてきですよね。



店舗情報

店舗名 GRAND CASTELLA
業態 カステラ店
店舗住所 東京都墨田区押上1-1-2 2階5番地 
営業時間 11:00~19:00
定休日 施設休業日に準ずる
URL https://www.tokyo-solamachi.jp/
MAP
備考 総店舗数 日本 1店舗
     海外 フィリピン1店舗
この記事を書いた人(著者情報)

rin

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