面白法人カヤック(株式会社カヤック)は「つくる人を増やす」を経営理念に掲げ、ゲーム・広告・Webサービスなど、ヒットコンテンツを多く手がけてきたIT業界では知らぬ人がいないくらい有名な企業だ。
その面白法人カヤックのベトナム法人代表取締役・谷春樹氏は、ハノイに2011年「D Hearts Vietnam」を設立し、スマートフォン向けゲームアプリ開発や3DCG制作を中心に行ってきた。
(2016年資本変更により「カヤックハノイ」に社名変更)
今回、カヤックハノイ代表取締役の谷春樹氏に、ベトナムで事業を運営する上での注意点や日系企業が陥りがちな問題点についてインタビューをしてみた。
問:「面白法人カヤック」にベトナム法人があるの?と驚く方も多いと思うのですが、その役割について教えてください。
谷氏:日本法人のオフショア拠点という位置づけです。
「つくる人を増やす」というカヤックの経営理念に則り、クリエイターの拡大、多様化、人材交流技術向上を図ることを役割としています。
問:谷さんはハノイに来て6年半とのことですが、長期に渡りベトナムで継続的に事業を運営し続けることが出来た秘訣はなんでしょうか?
谷氏:日本の制度や評価の仕組みをそのまま持ってくるのではなく、ある程度ベトナムに合わせたカスタマイズをして適用させてきたことが良かったのではないでしょうか。
例えば日本で定着しつつある360°評価ですが、ベトナムでは「技術のある人や地位のある人から正当に評価されたい」と思う意識が強く、そのまま持ってくるのは難しいと思います。
ベトナムでは「教師の日」という「日頃、自分や子供がお世話になっている先生たちに贈り物をし、感謝の気持ちを表す日」があるくらい、教師を敬う気持ちが強いのです。
そういった理由から、同僚よりもむしろ上司に評価されたいという考え方になるのだと思います。
「表面的な部分よりも本質的な目的を共有し、お互いの文化を尊重しながら歩み寄っていく。」この姿勢が大事だと思っていますし、この点を意識してきたことが長くやってこられたポイントなのかなと思っています。
問:仕事に対しての向き合い方に日本人スタッフとベトナム人スタッフとの違いはありますか?
谷氏:人生に関する優先度の違いを感じます。
人生を家族で楽しむことに重きを置き、家族をないがしろにするような仕事はしたがらない。
一方でキャリアアップを真摯に望む姿勢もあり、それらのバランスが取れているのが今のベトナムの働き方だと思います。
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