タイ湾のはるか南西。
スラータニー県の沖合に浮かぶ四角形を潰したような島が、タイ南部の観光地サムイ島。
アーントーン諸島海洋国立公園の海域に面しており、エメラルドグリーンのビーチを活かした観光業が盛ん。
島に渡るための交通手段が少なく、秘境感いっぱいなことも人気の一因となっている。
近頃は島で結婚式を挙げる日本人も見られるようになってはいるが、日本食店もほとんどない未開の地。
そんな魅惑の島をこのほど訪ねた。
バンコクからサムイ島に渡るには、スワンナプーム国際空港国内線からバンコクエアウェイズ機もしくはタイ国際航空機に搭乗し、サムイ空港に直行する方法が最短だ。
飛行時間は1時間ほど。
空港施設全体がバンコクエアウェイズ社の私有地であることから長らく同社が独占運航していたが、10年ほど前からタイ国際航空と一部の海外航空会社に開放され、就航が可能となった。
とは言うものの、運行便数は1日当たり20往復以上あるバンコクエアウェイズに対し、タイ航空のそれは2往復程度。
国際線の乗り入れがあるシンガポールのシルクエアーなども同程度の就航であり、同社の絶対的優位には変わりはない。
バンコクエアウェイズを使用しなければサムイ島に渡ることができないと考えている旅行者も少なくないのが実情である。
事実上の独占状態にあるため、運賃もかなりの高額だ。
格安航空会社(LCC)の浸透でプロモーション時には片道500バーツ(税諸費用込み、1バーツ=約3.3円)から搭乗できるようになったタイの国内航空路線にあって、サムイ島への直行チケット代は片道だけでも約5,000バーツもかかる。
同じ南方の観光地なら1,000バーツ台から格安直行便の存在するプーケットに軍配が上がるのも無理はない。
だが、そうした不利な条件を押しても人気の高いアジアンリゾート「コ・サムイ(タイ語でサムイ島の意)」。
島から見る夕暮れの姿はカップルたちを魅了させ、欧州などからの訪れる旅行者は後を絶たない。
リゾート地の人気ランキングでも常に上位にあるのが、ここサムイ島なのである。
こうした状況を少しでも打開しようとLCC各社が始めたサービスが、近隣空港を活用した航空機とミニバス(ロットゥー)、船(フェリー)の三者をジョイントさせたチケットサービスだ。
LCC大手のエアアジアとノックエアなどが販売を手掛ける。
料金は総額で直行便の3分の1から4分の1。
破格の料金で島へ渡ることができる。
今回、エアアジアのサービスを使って現地を訪ねてみた。
向かったのは2月中旬のことだった。
バンコク・ドンムアン空港を午前6時50分に離陸するナコーンシータマラート空港行きFD3188便に搭乗。
1時間15分ほどでナコーンシータマラート空港に到着した。
到着ゲートの正面では職員らが名簿を携え、乗客を待ち構えていた。
空港では、案内されるままに定員16人ほどのミニバスへ。
今度は1時間ほどかけてスラータニー県北東のドンサク埠頭を目指した。
狭い車内ではあったが、天候も良く快適な旅。
埠頭の乗船カウンターでも職員が到着を待ち受けており、名簿から記者(筆者)名を難なく見つけてくれた。
いよいよ島へ。
約1時間半のフェリーの旅。
船は1階部分が車両、2階以上が乗客席。
エアコン完備の客室の座席数は少なく見ても500以上はあり、近くに売店も備え付けられている。
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