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【ベトナム】「KATZDEN ARCHITEC VIETNAM」日本人セールス・マーケティングディレクターインタビュー

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2015年6月より、ホーチミン市を中心にスチール製室内階段を住宅や商業施設に向けて製造している 「KATZDEN ARCHITEC VIETNAM」。
今回は、ベトナム現地法人のセールス・マーケティングディレクターの坂田光穂さんにお話を伺いました。

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記者:ベトナム進出までの簡単な経歴を教えてください。
坂田氏:「KATZDEN ARCHITEC」に入社する前は、Webディレクターとして起業をしていて、EC事業やコンサルティング事業を運営していました。
起業して3年ほど経ち、事業がうまく回り出したタイミングで「KATZDEN ARCHITEC」の代表である父より「ベトナムに進出することにしたんだけど、社内で誰も希望者がいないから行ってよ!」とお願いをされたんです。
父の会社には弟が既に入社することが決まっていたので、私は継ぐつもりはなく、学生時代からモデル業や俳優業をやったり起業したりと好きなことをさせてもらっていたので、親からの初めてのお願い事を断るわけにもいかず…持っていた会社を売却した後に入社しました。
約2年間は日本の本社で建材メーカーのイロハを学び、ベトナムに駐在するに至りました。

記者:何故、階段メーカーを始めようと思ったのですか?
坂田氏:日本では階段事業を始める前、TVのアンテナやアルミ製の手すりを製作していたのですが、価格競争が厳しいことからアルミから脱却しオリジナルブランドの製品を模索していました。
そのタイミングで住宅メーカーから「スチール製の階段を作ってもらえないか?」と依頼があり、チャレンジしたことがきっかけです。
今では年間で3000台以上の階段を数多くの住宅メーカーを介して全国の住宅へ納入しています。
ベトナムでは階段の製作ノウハウを持つ実習生の受け口になっていることから、「まずは階段を売ってみよう」となっていますが、現時点では日本向けのCADセンターや板金加工の売上が多くを占めています。

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記者:ベトナム進出のきっかけは何ですか?
坂田氏:ベトナム進出のきっかけには2点、理由があります。
1つ目は、日本の工場で中国人とベトナム人の技能実習生を受け入れていたのですが、ベトナム人の実習生がとても優秀で「彼らの能力を3年間の受け入れ期間だけで手放してしまうのはもったいない」と考えたことです。

2つ目は、そのベトナム人技術実習生が帰国後に学んだことを活かせるかどうかは運次第という話を聞き、「学んだことをきちんと活かせる受け口を作ってあげたい」と思ったことがきっかけでした。
ビジネスの拠点としての勝算は、その時点ではなかったということですね。笑

優秀な実習生たちがリーダーとして活躍してくれれば、板金加工メーカーとして受託することも自社ブランド製品を販売することもできるので、比較的フレキシブルに考えていました。

記者:ベトナム進出前に準備したことは何ですか?
坂田氏:工場をBinh Duongに設立する際に、「いずれ来る住宅市場の活性化に備え、高度な感性を持つベトナム人建築家たちに興味を持たれるようなデザインにしよう」と考え、西澤俊理さんにデザインを、大和ハウスさんに建設を依頼しました。

今までに見たことのないような工場を設立するにあたり、予算とデザインと構造のせめぎ合いでかなり苦労しました。

ただその苦労の甲斐あって、ベトナムの国営放送や大手建築雑誌から取材を受けたり、工場のデザインについて問合せをもらったりしていますね。

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記者:どの様なお客様がいらっしゃいますか?
坂田氏:主にアプローチをしているのはベトナム人の設計事務所や住宅メーカーです。
日系の住宅メーカーやデベロッパーでも商談を進めているところもありますが、日系だけではどうしても母数が少なくなってしまうので、ローカルのマーケットを中心に開拓しています。

記者:ベトナムで苦労したこと、大変なことは何ですか?
坂田氏:仕事面では、価値観の相違ですね。
社内においては、人材の確保に大きくそれを感じます。
営業職のベトナム人スタッフを雇わないとローカルの顧客と商談するのは難しいのですが、流動的な人材市場で人を育てて会社に留める難しさを感じています。

社外においては、顧客が食いつく点が日本と大きく違います。
日本では『安物買いの銭失い』という言葉があるように、重要なものを安価すぎるもので代用するのは憚られる傾向にありますが、現時点のベトナムでは何よりも価格を重要視されることが多く、しっかりと製品の価値を理解してもらうのにかなり苦労します。

プライベート面では、都市部の空気の汚れで病気がちになることです。
私は月に1回以上カゼのような症状にかかるのですが、原因の多くは空気の汚れだそうです。
ホーチミンで頻繁に街中を動き回るような仕事をする方は皆さん丈夫なので、私のように虚弱体質の方は苦労すると思いますね・・・笑

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記者:次のビジョンは何ですか?
坂田氏:ビジョンは特にありません。
これは会社の姿勢とも一貫しているのですが、適切なタイミングで適切なことを行えば事業はスムーズに行くと考えています。
ビジョンとして先をイメージしてしまうとそれに縛られてしまい、ターニングポイントを逃してしまう気がするので、何事も柔軟に考えるようにしています。

記者:これからベトナム進出を検討されている方へのアドバイスはありますか?
坂田氏:ローカル企業をターゲットにしてFS(Feasibility Study)や展示会を行うと、やたらと持ち上げられることが多いので話半分ぐらいで聞いておいた方がいいと思います。
実際に販売体制が整った後に訪問してみると「あれ、そんなこと言ったっけ?」というような反応をされることはザラにありました。
実際に販売していくにつれて色々と問題が起きるはずですが、まだ具体的なアドバイスができるほど動けてないので、数年後にまた聞いてください。
あ、体は丈夫な方が駐在した方がいいと思います!笑

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記者:ありがとうございました。
ベトナム異動が決まった時にまず思ったのは、「もう満員電車に乗らなくていいんか!」ということだったと坂田さん。
私も同じ事を思いました。笑

ベトナム版のカタログ作りから現場での打ち合わせ、プレゼンまでこなされるている坂田さんと「KATZDEN ARCHITEC VIETNAM」のご活躍が楽しみですね!

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■KATZDEN ARCHITEC VIETNAM Company Limited
・ホーチミンオフィス
94 Nguyễn Hoàng, Phường An Phú, Quận 2, An Phú, HCM
・工場
Lô số D-1, Đường số 4A, KCN Quốc Tế-Protrade, xã An Tây, Thị xã Bến Cát, Tỉnh Bình Dương
・電話番号:(84-274) 357 9439

・ベトナム社URL:http://kdat.jp/vietnam/
・本社URL:http://kdat.jp

この記事を書いた人(著者情報)

寺内真実

1年ホーチミン、8年以上ダナン在住。
中央大学卒業後は金融系(FP2級)、医療系の会社に勤務。
「暑い国に住みたい」と勢いで渡越し、現地の日系旅行会社を経て、現在は現地サービス業とライター業をしている。
写真は生後1週間で保護した愛猫“大福”と。
著書▼
「癒しのビーチと古都散歩ダナン&ホイアンへ」イカロス出版
※電子版はこちら
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