東南アジアの国の中でも屈指のスイーツ天国マレーシア。
マレー系マレーシア人(モスリム)が国民の6-7割を占めており、宗教上の理由で飲酒が禁止されていることもあり、男性でも甘いものを好む傾向にある。
例えば、ドリンクにしても屋台街(ホーカー)やカフェ(コピティアム)のコーヒー、紅茶にはたっぷりとコンデンスミルクを入れるのがマレーシア式。
注文時にノーシュガーと言わない限り、かなり甘いことが多い。
しかし、ここ数年の日本ブームの追い風もあり、甘さ控えめの日本のスイーツが次々と上陸。
マレーシア人の舌に合わせたフレーバー展開なども定着しつつある。
日本の地名や雰囲気を前面に押し出している人気スイーツ。
実は香港や台湾が発祥だったということも少なくない。
オープン当初はショッピングモール内店舗まで数十メートル近い行列ができていたトーキョー・シークレット(TOKYO SECRET)は、チーズタルト専門店。
店内のオープンキッチンにあるオーブンから漂う、次々に焼き上がる匂いと視覚でアピールする販売戦略が功を奏して、爆発的な人気となった。
人気が一段落した現在は、新商品を投入するなどしている。
固定客もついたようで、スタッフは減ったもののほぼオープン時と同様の規模で営業している。
クアラルンプール中心地のブキッ・ビンタン(bukit Bintang)などに店舗をかまえるのはミル・デザート・レストラン(Miru Dessert Restoran)。
今ではローカルカフェの主力メニューともなっているミルクレープをメインに扱っている。
ミルクレープが人気なのはその味がマレーシアで受け入れられたことにもよるが、特に女性を中心に話題性があったのがSNS映え。
「映える」スイーツの画像を求める層にターゲットを絞ったことが功を奏したという好例となった。
実際にカフェメニューのKAKIGORI(かき氷)、ハニートーストはその盛り付けの色やスタイルが話題を呼び、写真投稿サイトなどに多く投稿された。
画像検索をするといちご、抹茶、チョコレートなどの素材を使ってデコられた写真が多くアップされている。
シンプルな味わいとふわふわの食感でブームを起こしたおなじみの「てつおじさんのチーズケーキ」。
海外では日本国内販売を手がける有限会社バランス(福岡県福岡市早良区)の姉妹企業であるTetsuGlobalが現地企業とコラボし、日本発のチーズケーキを販売している。
現在マレーシアをはじめ世界13カ国で展開している。
衛生的なオープンキッチンで、実際に手作りしている場面が見られることで話題を呼んだ。
オーブンで焼き上げ、そのまま目の前でクーリングするため、暖色系の店内デザインと相まって足を止める人も多い。
店内では日本語の表記が使われており、日本からというイメージを強く発信。
そして、こちらも他の先発の日系スイーツと同様に、ある程度知名度が定着したら、ローカル好みに寄せたアイテムや、現在流行りのスイーツをアレンジした商品を投入している。
店舗にはハラル認証取得のマークあり。
モスリム対応もされているのは強味である。
近年マレーシアでは、日本の食文化の広がりがスイーツにも及んでいる。
ただし、出店当初の商品展開では飽きられてしまうことが多い。
季節限定、数量限定など目新しいアイテムを続けて出す企画力や、SNS映えを意識した商品展開などの戦略が必要ではないかと思う。
※各社の詳細についての参照は、文中の緑の社名をクリックして公式サイトへ
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