それよりも驚くべき光景がレジ前にあった。
そこにあったのはおでん。
そう、あのおでんである。
熱帯のインドネシアでおでんを食べるとは何とも不思議な気分だが、現地市民にとっては手軽に日本の料理を味わえる場でもある。
特に魚肉を使った練り物は、インドネシアでは日本ほど見かける機会がない。
意外なことであるが、インドネシアはASEAN諸国の中でも水産物の消費割合が低い国である。
また、インドネシアは主食過多の食習慣で、副菜が少ない。
しかしおでんというのは「副菜の集合体」のようなもののため、その意味からもインドネシア人にとっては新鮮な食べ物なのかもしれない。
改めて、コンビニというのは便利な拠点だと感じる。
日本の料理を現地で普及させるには、高級レストランよりもコンビニを生かしたほうが大きな効果が見込める。
もうひとつ、筆者の目に飛び込んだ光景がある。
それが以下の写真だ。
画面の右、おにぎりやサンドイッチが置かれている棚の上にぬいぐるみが置かれている。
これはポイントサービスネットワーク『Ponta』のマスコット。
そう、インドネシアのローソンはPontaに対応しているのだ。
しかもポイントの利用は日尼両国でできるようになっている。
Pontaは現地系コンビニ『Alfamart』でも利用できる。
インドネシアのローソンとAlfamartは、実は同じ企業グループのブランド。
だからこその互換性であるが、これは意外に知られていない事実だ。
インドネシアを旅行したことのあるPontaユーザーは損をしてしまっているのでは……とも邪推してしまう。
インドネシアのセブンイレブンは、撤退という結末を迎えたとはいえ現地の若者から根強い支持があった。
そうでなければ「Sevel」という略語で呼ばれるはずはなく、またセブンイレブン撤退のニュースが現地で大きく報道されることもない。
日系コンビニ独自の形態やサービス、商品ラインナップがインドネシア市民にまったく受け入れられていないとしたら、ローソンの命運も既に尽きているはずだ。
そうなっていないのは、現地系コンビニとのある種の棲み分けができているということではないか。
インドネシアの日系コンビニには、まだまだ大きな可能性が秘められている。
【参考・画像】
Ponta公式サイト
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