インドネシアは元々デリバリー好きな文化ではありましたが、新型コロナウイルスのパンデミックにより、さらにデリバリー需要が増加しました。
もはや、バイクデリバリーなしでは都市圏の生活はままならないと言いたくなるほど、デリバリーはインフラとして浸透しています。
本記事ではジャカルタ在住の筆者が、インドネシアの最新デリバリー事情について、日本の方向けにできるだけ分かりやすくご紹介します。
冒頭で軽く触れたように、インドネシア人は元々デリバリーが好きです。
昔の日本の「そば屋」さんをイメージしてもらうと分かりやすいかと思いますが、デリバリーアプリが浸透する以前から出前は頻繁に活用されていました。
近所のレストランへ電話して配達してもらったり、屋台で注文して自宅へ届けてもらったり……。
デリバリーアプリが浸透する前は、飲食店が自前でデリバリー部隊を用意していました。
そのためデリバリーできるのはご近所だけ。
忙しい時間帯は、デリバリーまで手が回らない店舗もあったでしょう。
インドネシア都市部のデリバリーを一気に加速させたのが、デリバリーアプリです。
元々インドネシアにはOJEKと呼ばれるバイクタクシーがありました。
アプリの登場でOJEKドライバーと飲食店がアプリで繋がることができるようになったのです。
飲食店はデリバリースタッフを雇わずに、遠方まで配達ができるようになりました。
数年前まではいくつかのデリバリーアプリがありましたが、2021年現在、インドネシアで利用されているのは「GrabFood」と「GoFood」の2つです。
それぞれの運営元である「Grab(本社はシンガポール)」と「Gojek(本社はインドネシア)」は東南アジアのデカコーン(時価総額100億ドル以上の未上場企業)として海外からの注目度も高いです。
この2つのアプリは、元々は「配車アプリ」です。
OJEKドライバーや時間のある自動車ドライバーを繋げ、透明性が高くて効率的な移動手段を提供しています。
その後、OJEKドライバーと飲食店を繋げて「デリバリー機能」が追加されました。
「Grab」と「Gojek」ではいわゆる「バイク宅配便」のように、送り主が個別に品物(食品も可)を送ることができます(GrabExpressとGoSendというサービス名称)。
この場合は店舗側が個別に客先と連絡を取り、決済まで行う必要があります。
一方、飲食店は「GrabFood」と「GoFood」に登録することで、以下のシステムを利用することができます。
①アプリの店舗データーベースに店舗情報とメニューを登録
②オーダーが入ると店舗側のアプリへ通知
③ドライバーが注文を店舗までピックアップ
④支払いはアプリ側(もしくはドライバー)が立て替え
⑤ドライバーに料理を渡せば客先まで配送
この場合はアプリ側が「集客」「配送」「決済」まで行うので、店舗側は料理を作って渡すだけ。
ただし、このシステムへ登録するとアプリ側へ手数料を支払う必要があります(安くはない金額です)。
店舗によっては手数料分の金額をアプリメニューに上乗せしていることもあります。
また手数料を払わずに「バイク宅配便」機能だけを使い、デリバリーを行う店舗もあります。
ちなみに配送料は近場であれば150円程度。
10㎞あたりで300円を超えてくるかな……という程度。
この程度の金額ですから、消費者も気兼ねなくデリバリーを利用します。
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