「Rice Holic」のメニューは、ラーメンのほか、サイドメニューの丼ものや、おつまみにぴったりのタパスも充実。
元田氏おすすめのメニューを伺うと、オーストラリアでも提供していたという、看板メニュー3点を教えてくださいました。
■おすすめラーメン
塩麹をベースに、肉の骨・魚介・貝・干ししいたけ・昆布などから出るうま味をブレンドしたスープを使用。
うま味が凝縮された出汁に、ほんのりと柚子胡椒の香りが漂います。
自家製みそをベースにしたスープを使用。
麹菌が生きた白みその風味を存分に堪能できます。
麺はいずれも、プノンペンの日系業者が作る化学調味料不使用のちぢれ麺を使用しています。
サイドメニューにぴったりの唐揚げにも麹を使用。
麹が持つタンパク質の分解酵素により、お肉がとても柔らかく、ジューシーに仕上がります。
麹の良さを分かっていただきたいという理由で、もともと柔らかいモモ肉ではなく、あえてムネ肉を使用しているそう。
オープンから約1ヶ月半(取材時点)。
現時点のお客様の層について伺うと、
「出張で来た日本人や、現地でビジネスをしている西洋人の経営者などがよくいらっしゃいますね。
おかげさまで、日本人の間では口コミが順調に広がっています」
とのこと。
今後は、現地のカンボジアの人々にも、日本食の魅力を伝える取り組みをしていくそう。
「バッタンバンに来て驚いたのが、現地の人達が日本食というものをまったく知らないということでした。
首都プノンペンでは広く認知されている寿司すら知らない人達が多いのです。
それでも、『日本食を食べると長生きできるらしい』という認識はあるようなので、食育的な観点から徐々に日本食の良さを伝えていきたいと考えています」
オーストラリアでは、現地の学校で日本の食文化に関する講義などをしていたという元田氏。
カンボジアでは、大学などと連携して食育を進める取り組みを準備中だといいます。
「ゆくゆくは、現地の人たちに食育の大切さを分かってもらい、実践できるようにしなければ意味がないと思っていますので」
オーストラリアで6年にわたって飲食業に従事していた元田氏ですが、出店にあたっては、カンボジアならではの苦労を感じることがあったといいます。
「内装工事の不備が多々あって、大幅に手直しが必要になり、工期に遅れが出たことがありました。
工事業者や下請け業者との意思疎通や進捗管理は、非常に難しいと感じましたね」
そんな工事関係よりも大変だったのは、人材採用だそう。
「採用後、スタッフに清掃などの周辺作業からお願いすると、『私がやりたいことと違う』と言われたことがありました。
職場を学校のように経験を積める場だと思っている人も多かったですね。
意に沿わないことがあると、すぐに辞めてしまう人もいました。
最終的に残ったスタッフは飲み込みが早く助かっていますが、最初は価値観の違いに苦労しましたね」
仕入れに関しても、当初は戸惑うことがあったとか。
「これまでと同じ野菜を扱うにしても、現地産のものだと少し事情が異なり、“野菜と会話ができない”という感覚を抱くことがありました。
野菜の個性というか、それぞれの野菜の持ち味をつかむのが難しかったのです。
味を引き立たせて一番おいしくなる調理法を探るべく、今も試行錯誤していますが、現在は、食材によって仕入れ先を分けることで、だいぶ野菜の個性を生かせるようになったと思っています。
そのため、あまり大きなストレスは感じていません。
麺・有機野菜・スープに使う骨などは、カンボジアでこだわりをもって生産している日系業者から仕入れ、その他は現地の市場でそろえるようにしています」
最後に、元田氏が今後の展望についてもお話してくださいました。
「今はお店で使う分を仕込んでいる形になりますが、ゆくゆくは自家製の麹やみその販売もしていきたいと考えています」
さらに、集客に関しては、近隣の店舗とも協力していきたいといいます。
「Rice Holic」が位置するストリートNo. 2.5は、バッタンバンの中心街でも飲食店が多く、年々にぎわいを見せるようになってきている通りなのです。
「この一帯をみんなで盛り上げていくため、近隣の店舗とミーティングをしています。
通りとしての特色をもっと打ち出していき、“バッタンバンに来たら必見のストリート”と認識してもらえるようになるといいですね。
ストリートフェスティバルのようなものを開催できたらいいなとも考えています」
カンボジア在住日本人の間では、「日本食レストランの数が限られているバッタンバンで、本格的なラーメンを食べられる!」ということで期待が高まっている「Rice Holic」。
さらに、麹ならではのうま味が凝縮された特色あるスープは、実際に口にしてやみつきになったお客様も続出。
オープン1ヶ月余りにして、早くも口コミで好評価が拡散されています。
オーストラリアで培った経験から西洋人顧客のハートもがっちりとつかみつつ、今後は食育を通じてカンボジアの人々にも日本の食文化の魅力を伝えていきたいという元田氏。
バッタンバンの「食」の多様化と充実に、「Rice Holic」の存在が大きなインパクトをもたらすことは間違いないでしょう。
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■Rice Holic
【住所】Pub street 2.5 20 Osaphea Village, Svaypor Commune, Battambang City, Battambang Province, Cambodia
【電話】087 483 731
【定休日】火曜日
【営業時間】11:30〜14:30、18:00〜22:00
【Facebookページ】https://www.facebook.com/Riceholic168/
※1アメリカドル=111円で計算
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