ー 表面はこんがり香ばしく、口に入れると卵と牛乳の風味が広がる、ふわふわぷるぷるの生地が特徴の台湾カステラを提供する「GRAND CASTELLA」。日本・フィリピンでライセンス展開されている津森氏のご経歴を教えてください。
大学卒業後、事務職として6年間勤務していました。小さい会社でしたので、仕事に対する責任感や当事者意識が高まり、次第に自分で事業を立ち上げたいと考えるように。30歳に差し掛かり自分の人生について振り返っていたところ、趣味の海外旅行中に出合った味を思い出しました。
ー 詳しくお伺いできますか?
2015年に台湾旅行をした際、元祖台湾カステラ「GRAND CASTELLA」に出合ったのです。あまり甘い物が得意ではなく普段スイーツの食べ歩きなどを行わないのですが、偶然この店に入りました。シンプルでほっこりする味わいにどこか懐かしさを感じ、感動と衝撃を受けたのを思い出したのです。「衝撃を受けたあの味を広めたい!」と思い、2017年末に再度渡台。「GRAND CASTELLA」の本部に連絡を取りました。
ー 直接連絡をされたのですか!?
はい、メールを送り、台湾にある本店で本部の方とお会いすることができました。通訳の方にも来ていただき熱い想いを伝えたところ、ライセンシーとなることにご快諾をいただけました。一旦日本に戻り、起業に向けて準備や情報収集、前職の退職準備などを進めました。
ベースは日本のまま頻繁に渡比を重ね、2018年にフィリピンで法人登記、2019年6月には首都マニラで1店舗目をオープンしました。
ー どうして初出店にフィリピンを選ばれたのですか?
幼少期にフィリピンに在住していた経験があったからです。中学校まではフィリピンで過ごしていたため、若干の土地勘と物価の相場などを肌感覚で理解していました。
また、経済発展が著しいフィリピンに出店することで、その後の展開にも繋がるのではないかと考えていました。
ー 物件選定はどのような点を重視されましたか?
法人登記後、本格的に物件・立地の選定を始めました。当時、ブランド地名度が低かったため、有名モール内に出店することでその点をカバーしようと考えました。運よくモールの入口付近のテナントに空きが出たため申し込んだところ、関係者に当ブランドのファンの方がいらっしゃり、出店が決まりました。
ー なんという強運!オープン後のお客様の反応はいかがでしたか?
オープンから、たくさんのお客様にご来店いただきました。モールから半径3km以内を生活圏とする方をターゲットとして、モール内の掲示板や近隣オフィスに向けてオープンの告知を行いました。
台湾カステラ店には珍しいのですが、あえて全面オープンキッチンにしました。巨大カステラを揺らし、モール中に匂いを蔓延させることで、通行人の興味を引き、多くの方に写真撮影、SNSにアップしていただいたことで、驚異的なスピードで拡散されました。おかげで、大手紙の1面やニュースサイト、SNS、ブログなどWeb上でも多数掲載いただきました。オープンから半年ほどが経過し店舗展開を考えていた最中に、新型コロナウイルスが世界的に蔓延しました。
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