ホーム >  インフォメーション > ロシアによるウクライナ侵攻がASEANに与える影響

ロシアによるウクライナ侵攻がASEANに与える影響

  • 友だち追加

ロシアによるウクライナ侵攻によって、世界では緊張が高まっています。
ロシア軍の侵攻を強制的に止める手段に出れば、世界的な核戦争の恐れもあり、米国など欧米諸国はロシアへの経済制裁に留めています。
しかし、侵攻当初は限定的な制裁に留める方針でしたが、事態がエスカレートするにつれより重い制裁に踏み切っており、世界経済への影響が避けられない状況です。
侵攻に踏み切った以上ロシアも簡単に手を引くことはできず、いくら経済制裁を強化しても効果は限定的だとの見方が強く、世界経済への影響は長期化する可能性が高いです。

ウクライナではロシア軍の侵攻が続いている



特に、米国はロシアへの経済制裁に積極的です。
例えば、米国の石油大手「エクソンモービル」はロシア極東サハリンにおける石油や天然ガスの開発事業から撤退することを明らかにし、アップルやマクドナルドやスターバックスなど米国を代表する世界企業が相次いでロシア国内における自社製品の販売停止や休業を発表するなど、ロシア国民の日常生活に大きな影響が出ています。

そして、日本も欧米諸国と同じくロシアへの経済制裁を強化していますが、それによる日ロ関係悪化は避けられない状況です。
プーチン大統領はロシアが実効支配する北方領土へ進出する企業に対して、20年間に渡って税金を優遇する措置を盛り込む法案に署名するなど(※)ロシアへの経済制裁を強化した日本への対抗措置をいっそう強化しています。
ロシアは最大の小麦輸出国であり、小麦を必要とする飲食業界の他、漁業界などは長期的に大きな影響を受ける恐れがあります。

これまでの状況は、ロシアとウクライナを当事国として、米国や中国、欧州主要国、日本などを中心に政治が動いており、正直なところASEANは蚊帳の外に位置していると言えます。
日本はASEAN諸国に共同歩調を取るよう呼び掛けましたが、現在のところ、シンガポールを除くASEAN各国はロシアについて直接的な言及は避けています。

(※)編集部注:ロシアは北方領土を自国領土として開発を進める思惑があるとみられている

プーチン大統領

その理由は各国で違うかも知れませんが、主に2つあります。
1つは、ロシアは世界有数の石油や天然ガスの資源大国であり、また食糧においては世界最大の小麦輸出国です。
ロシアに依存する国は少なくありません。
インドネシアやベトナム、タイなど今後長期的に経済成長が見込まれる国にとっては、さらに石油や天然ガスなどの需要が高まるでしょうから、輸入先のオプションとしてロシアを排除したくないという思惑もあるかもしれません。

また、中国の動向も影響しているでしょう。
欧米がロシアに対して制裁を強化する中、対米国において親ロシアの中国は経済支援を行う方針です。
ASEANでもミャンマーやカンボジア、ラオスは長年中国から多額の経済援助を受けており、その動向を特に注視していると思われます。
ロシアに明確な反対姿勢を示すと、中国から支援を減額、停止されると考えるかもしれません。

現在、ウクライナ情勢が日本とASEANの間に大きな影響を与えているわけではありません。
しかし、現在の状況が長期化すると、日本とASEANの間でも影響が出てくる恐れは排除できません。
ASEANに展開する、今後展開を強化する日本企業はロシアを巡る世界経済の動きを注視していく必要があります。



この記事を書いた人(著者情報)

サンシーロ

ASEAN各国に国際会議でよく出かけます、よろしくお願いいたします。

  • 友だち追加
海外展開にご興味ある方は
なんでもお気軽にご連絡ください。
> 24時間受付OK> 24時間受付OK

メインメニュー

教えてASEANコラム

お問い合わせ

お電話でのお問い合わせ
WEBでのお問い合わせ

人気記事ランキング

新着記事

国別で記事を探す

おすすめキーワードで記事を探す

ライター紹介

G-FACTORYグループは、ASEAN進出を目指す飲食店オーナー、
外国籍人材の採用を検討している飲食店様を全面サポートいたします。