ベトナム中部の中心都市・ダナンの市街地、ホテルや飲食店が並ぶLy Thuong Kiet(リートゥンキェット)通りにオープンした「Ise Cha – Japanese tea stand -(伊勢茶-ジャパニーズティースタンド-)」は、伊勢茶を使ったドリンクを楽しめるカフェです。
今回は、2022年7月31日にオープンした同店のマネージャー、草壁麻衣さんにお話を伺いながらお店をご紹介したいと思います!
記者:なぜ「伊勢茶」にこだわったカフェを出されたのですか?
草壁氏:現在、「日本のお茶」は日本国内の栽培面積および需要の減少が著しいです(※1)。
このままでは「日本のお茶」文化が減衰してしまうと思い、お茶の販路拡大に向けた取り組みが必要と考えていました。
そんな時に、お茶の一大産地である三重県と「食の海外展開に係る戦略的連携協定」を締結している旅行会社のHISと連携することになったのです。
ベトナムにおいて伊勢茶の魅力やお茶の楽しみ方を提案・発信していけたらと考え、このカフェを出店することを決めました。
(※1)参照:農林水産省「茶業及びお茶の文化の振興に関する基本方針 現状と課題(令和2年3月)」
記者:「伊勢茶」の魅力はどのような点にあるとお考えですか?
草壁氏:歴史的な背景です。
江戸時代、「せめて一生に一度はお伊勢参り」と言われるほど伊勢神宮への旅は特別なもので(※2)、一世を風靡(ふうび)したそうです。
お参りのために大勢の方が集まった伊勢の宿場で、旅人たちの喉を潤したのが伊勢茶です。
産地の三重県は、お茶の生産量が全国第3位で三大緑茶産地の1つです(※3)。
日本だけではなく、世界中の多くの人々に伊勢茶をお届けしたいと考えております。
(※2)出典:内閣府「伊勢志摩:神秘と荘厳の地」
(※3)出典:株式会社エイチ・アイ・エス法人営業本部「HIS FOOD PROJECT」
記者:ダナンに出店された理由は何ですか?
草壁氏:ホーチミンやハノイでは、おいしい抹茶やほうじ茶を提供するお店が増えてきているように感じますが、ダナンではまだまだ少ないように思います。
実際、出店前の視察で、ローカル店の抹茶ドリンクをいくつか試してみたのですが、中国やタイの製品、または抹茶フレーバーのお茶の粉を利用しているお店が多かったです。
「もっと多くの人に抹茶やほうじ茶本来のおいしさを知ってもらいたい!」と思い、2022年7月14~17日にダナンで行われた「ダナン市越日フェスティバル2022」にブースを出店しましたが、「抹茶って何?」と聞かれることがとても多く、改めて認知度の低さを感じ、ダナンへの出店を決めました。
個人的に海が好きで、ダナンの環境がとても気に入ったことも要因の1つです!
記者:どのような顧客がターゲットですか?
草壁氏:まずはベトナムの方に伊勢茶のおいしさを知ってもらいたいです。
また、抹茶は健康にもいいので、健康志向の高い方におすすめするつもりです。
目の前でお茶をたてるため、日本の文化に興味のある方にもぜひ試していただきたいです。
記者:提供しているお茶の特徴を伺えますか?
草壁氏:当社の使用している伊勢茶は生産者の萩村製茶と川原製茶の特徴でもある、まろやかなうまみと清涼感を併せ持つバランスの良さが特徴です。
加えて、1杯に使用する抹茶の分量は、牛乳やシロップ、お湯などのバランスを考えて試作を重ね、お茶のうま味を最も感じられるように調節しています。
どのドリンクメニューも注文が入ってから茶せんでたてて、お作りしているので風味がよく、お茶のおいしさをしっかり堪能できます。
記者:おすすめメニューを教えてください。
アイス抹茶ラテとアイスほうじ茶ラテが人気です。
・アイス抹茶ラテ
抹茶のほろ苦さと、ミルクの優しい甘さが絶妙です。
抹茶に含まれているカテキンには脂肪の燃焼効果を高め吸収を阻害するという効果が、食物繊維には腸内環境を整え便通をよくするという効果が期待できます。
・アイスほうじ茶ラテ
「ほうじ茶」は抹茶に比べて苦味・渋味が少なく、カフェインも少なめです。
お茶の苦味・渋味が苦手な方でも飲みやすい、さっぱりとした味と香ばしさが特徴です。
記者:カフェのオープンに当たり大変だったことは何ですか?
草壁氏:カフェの内装工事が、なかなか思うように進まなかったことです。
ローカルのデザイン会社と内装会社を利用しましたが、デザインをほんの少しの修正するだけでも修正案が来るのに1週間以上かかったり、デザインとまったく違う工事が進んでしまっていたり……。
ベトナム在住5年目なので、ある程度慣れてきていると思っていたのですが、改めてベトナムでの出店の大変さを味わいました。
記者:今後のビジョンを教えてください。
草壁氏:より多くの方に日本産のお茶のおいしさを知ってもらい、“Ise Cha”という言葉をベトナムの方に浸透させることです。
そして抹茶やほうじ茶を飲む際に、第一の選択肢として日本産のものを選んでいただけるようになってほしいです。
また、今後カフェだけでなく、BtoB・BtoCでの販売も行っていく予定です。
ゆくゆくは他のレストランやカフェでも“Ise Cha”というメニューが並ぶようになるとうれしいな、と思っています。
記者:ありがとうございました。
■Ise Cha – Japanese tea stand –
住所:18/1 Ly Thuong Kiet, Da Nang
電話:+84 77 942 1125
営業時間:8:00~18:00
定休日:水曜
Facebook:https://www.facebook.com/IseCha.Japaseneteastand
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