新型コロナウイルスの影響で移転

ー　上海での経験は生かされましたか？
国が異なるので、コスト面など違う部分はありましたが、同じアジア圏ということもあるのか、おおよその出店までの流れは同じでした。しかし、日本人にとって発音の難しいベトナム語は中国語を取得するよりも困難で、意思疎通に苦労しました。試行錯誤しつつ店舗立ち上げ業務などを1年ほど行い、現地富裕層とアジア系外国人家族の高級住宅街があるホーチミンの7区に2018年7月7日、「源 Minamoto japanese restaurant」をオープンしました。

ー　7区を選んだ理由とは？
前述の通り、富裕層が多いということと、日本人街と言われるレタントンに次ぐ、第2の日本人在住者が多いエリアになるのでは、と予想したからです。日系向けの飲食店はあまり見当たらなかったため、ターゲットのメインを日本人、サブをアジア系外国人の中でも人数が多い韓国人と設定して出店しました。狙い通り、7～8割日本人、2～3割韓国人のお客様にご来店いただいておりました。しかし、新型コロナの影響で在住外国人が母国へ帰ったり、不動産価格がリーズナブルになったことでより都心部に移住するローカルが増えました。その影響で人が減少してきたため、今後を見据え2020年10月に日本人の単身在住者が多いファンビッチャンに移転しました。

ー　移転後はいかがですか？
日本人や現地の方にご来店いただいており、移転前に前年同月比60%ほどまで落ち込んでいた売上は、増加に転じています。移転して4ヶ月ほどなので、まだ当店を知らないお客様がたくさんいると思います。今後、さらに認知度を高められれば、新規のお客様が増えると予想しております。

―　海外進出を計画している飲食店経営者の方にアドバイスをいただけますか？
日本で飲食店を運営しているから海外で通用するかというと、まったく別問題です。日本で受け入れられている・人気を集めているなどのプライドは捨てて、現地での戦い方を再構築することが必要不可欠です。

「源 Minamoto japanese restaurant」のビジョン・夢とは

ー　今後の展開予定はありますか？
新型コロナウイルスが落ち着き、現在の店舗が安定してきたら、新たに2店舗オープンしたいと考えています。日本人向けとローカル向けに二極化した飲食店を経営したいです。いずれは、フランチャイズでたくさんの方に楽しんでいただける店舗を展開することも検討しています。

ー　最後に夢を教えてください！
新型コロナ禍以前は、近隣ASEAN諸国などに旅行がてら視察に行ったり、ベトナム食材を使った新しいレシピの試作をしたりしていました。今後も、拠点はベトナムに置きつつ、世界中を飛び回っていろいろな料理を生み出していきたいです。近隣のASEAN諸国や日本などを行き来する生活ができるように頑張りたいです。

※1ドン＝0.0046円で換算

店舗情報