ー 肉割烹はその経験をもとに、タイで独立されたということでしょうか?
肉割烹を運営しているのはタイの法人Golden Works。海外の経験をもとに、日本とアジアを繋げる架け橋となるべく株式会社Spice Worksの代表・下遠野と合同出資の上、設立いたしました。
― 下遠野氏とは、どのようなきっかけで出会われたのですか?
前職で馬肉を扱う業態の開発を行っていた際に、日本馬肉協会を通じて、下遠野と出逢いました。その後、飲食業界の先輩として、さまざまなことを教えていただきました。
ー なるほど。法人設立に至る決め手は何だったのでしょうか?
下遠野が「ペンと剣を持つ経営者」だったことです。
業態開発・店舗展開・理念浸透に優れた経営者などたくさんの方に出逢いました。しかし、全てを持つ経営者はいませんでした。
その中で、彼から海外のプロジェクトの話をいただきました。
全てを兼ね備え、クリエイティブな発想を持つ下遠野とであれば、また成長できると確信できたことが決め手です。
ー タイへの初出店を果たしてみて、いかがですか?
正直、前職でシンガポールでの法人立ち上げ・店舗運営の経験があったため「問題ないだろう」と考えていました。しかし、法律・労務・財務、国民性から物件調達まで新しく学び直す必要がありました。時間もお金も余計にかかってしまうことが多々あります。
今でこそ良い経験と考えられるようにはなりましたが、もっと深く考えておくべきだったと思っています。
ー 雇用面での苦労があったとのことですが、現地スタッフとの関わり方におけるポイントはありますか?
「会社の風土づくり」です。
日本のように単一民族でなく文化・考え方の異なる海外。教育のレベルもまったく異なります。そのような状況で現地に合わせてだったり、日本のやり方を貫いたりしてしまうと、スタッフがついてこないことは多々あります。ですので、会社のミッション、ビジョン、バリューをスタッフにしっかり伝えて、ついてきてもらえる風土づくりが大切です。「アジアの人は働かない、ルーズだ」などとよく聞きますが、当たり前です。教えていないのですから。その責任はそこにトライしない会社にあると私は思っています。
ー ずばり!海外進出をお考えのオーナー様にアドバイスはありますか?
「中途半端な想いなら進出しない方がいい」です。
日本、特に東京は外食産業規模や価値観、ミシュランの店舗数から見ても世界一の市場だと思います。ですので「日本ではうまくいかないから」という理由で出店されるのは非常に危険だと考えています。実際、撤退されていく企業をたくさん見てきました。
現地に強い気持ちを持って腰を据え、日本人ばかり頼りにせず、ローカルと一緒に学んで伝えて…の繰り返しでやっと形になってくるものだと思っています。
また「日本の当たり前」にとらわれず、「任せる」「任せない」「やってはダメ」を明確にした上での評価が大切かな、と。
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