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「マ・メゾン」経営者インタビュー

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”レストランを始めたきっかけ”

ー 創業から約40年。海外出店を始め、様々な挑戦を続けられている寺澤社長。そもそもレストランを出店しようと思ったきっかけを教えてください。
1970年代当時、ワインは高級なものという位置づけで庶民がリーズナブルに飲めるものではありませんでした。そこで、ワインをどこでも飲めるものにしたい、と思ったのが洋食屋出店のきっかけです。
もともとは東京・小平でレストランを始めたのですが、出身地でもある愛知県に戻り再び飲食事業をスタートしました。東京から大阪まで、ワインが飲める飲食店を出店したいという思いで起業しました。

 

”初の海外進出、様々な障壁”

ー 愛知での出店から約15年後である1995年にはシンガポールへと初出店を果たされています。
シンガポールのPARCOがオープンするということでお声をかけていただき、初めての海外出店が決定いたしました。
海外出店は全く視野に入れていなかったため、3年程お断りしていたのですが、一度シンガポールを訪れた後、改めてオファーをいただいたので勢い半分で出店を決めました。今ではオープンして24年が経過いたしましたが、直営という出店形態を選択したことに少し後悔が残ります。
シンガポールは日本より倍速で変化を遂げているビジネス社会ですので、順応していくことが必要不可欠だと考えております。
現在、シンガポール・フィリピン・マレーシアそして今年の2月にタイにオープンしたのですが、国の規模・ビジネスモデル等に合わせてフランチャイズ(以下FC)から直営店まで様々な形態で出店をしております。

― 海外出店にはあまり興味がないとのことですが今年2月にもタイにご出店されています。何がきっかけでご出店を決断なさったのでしょうか。
パートナー様とのご縁ですね。
当社のシンガポール店にパートナー様が来店し、気に入ってくださったことで出店を決めました。パートナー様選びは今でも非常に難しいので、基本は知人、もしくは知人の紹介で出店することが多いです。今年出店予定のカンボジアも友人の紹介ですので、大変ありがたいと思っております。
また、私は英語を話すことができたので、その点も海外出店においては大変有利になりました。英語を話せないけれど、海外に進出されたい経営者の方は日本で学ぶよりも現地に飛び込んで学ぶことがおすすめかと。日本人コミュニティーに入らないことも選択肢のひとつだと思います。
海外に進出するために一番必要なことはマーケティングです。
社内外問わず、現地マーケティングに特化している人材と組むこと。そうすることで、店舗やお客様、全ての面において幅が格段に広がります。自分一人で行おうとすると、現地のことを知らない、時間がない等の理由からどうしてもないがしろになってしまう部分が出てきてしまいます。それらのバランスを上手く整えることが海外出店の秘訣だと思います。

とんかつ
大人気! マ・メゾンのとんかつ

 

― そんな中、フィリピン出店時には予期せぬ大事件があったのだとか。
フィリピンでは大事件がありました。
フィリピンで1号店のとんかつ屋だったこともあり、1年程日本人スタッフを派遣しておりました。月日が経ち、現地在住の友人がとんかつを注文したところ、当初と全く味が異なるというのです。それを聞き、私が現地店舗を訪れてみると以前と味は変わらず美味しいのです。後々話を聞くと、私が来る時のみ以前と同じパン粉を使っていたようで通常営業の際は割安なパン粉を使用していたそうです。
また、とんかつは揚げているところをお客様に見せないといけないので、新店舗設立の際は「オープンキッチンにしなければならない」という契約にしていました。しかし、3店舗目はパートナー様がイタリアンの居抜きを活用し出店なさったため、オープンキッチンではない形となり契約と相違していたのです。
そこで、契約の見直しのために現地へ足を運び、諸々の事情がありそのパートナー様とは契約解除となり、撤退することになりました。

― その後も海外進出を続けていらっしゃる寺澤社長ですが、海外出店において最も重要なことは何であるとお考えですか。
私は「ローカライズする必要性はない」という考えを持っています。日系飲食店のドアを開ければ、そこはもう日本なのです。そのため、当社店舗では海外に合わせた味付け等は行っていません。
以前アドバイスをいただき、セットメニューを行なった経験があるのですが、上手くいきませんでした。
当社店舗ではお食事の後に、伝票の代わりに鍵を置かせていただくのですが、日本と同様にそうしたことも行なっております。マ・メゾンはフランス語で「自分の家」という意味ですので、国内外問わずその名の通りの接客も徹底しております。

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店舗内風景

 

― なるほど。自社ブランドをそのまま貫くことが肝となってくるのですね。海外進出をお考えの方にアドバイスをいただけますか。
どんな夢をもって海外進出をするのかをしっかり軸として持っていることが生き残る鍵になってくると思います。
当社も初出店から23年、数年は辛い時期もありました。しかし、営業を続けていくにつれ、現地の人に喜んでもらいたいという気持ちも増していきました。
自分の理念をぶらさず、お客様を感動させる、喜ばせるという絶大なポリシーがあるのであれば積極的に海外に行くべきだと思います。

 

”さらに海外出店を加速し、次のステージへ”

ー 現在、4ヶ国、10数店舗出店をなさっています。今後の出店予定を教えてください。
2019年から2020年にかけて、ポーランド、ジュネーブ、カンボジア、インドネシア、シンガポールへの出店予定があります。特にシンガポールはチャンギ国際空港施設内に出店予定で、初めての空港内への挑戦となります。
新メニューとして、オムライスととんかつを絡めた”オムカツ”も提供予定ですので、今から楽しみです。

ビーフストロガノフ

 

― 最後に今後の展開、ビジョンについてお聞かせください。
とんかつ文化を海外に広めることです。
幼少期、実家で食べるごちそうといえばとんかつでした。そこで、とんかつ屋を出店し、今ではマ・メゾンを象徴する料理となりました。
今後もマ・メゾン(自分の家)で食べるごちそうを世界にさらに発信していくことを使命として展開を続けていきます。

 

この記事を書いた人(著者情報)

rin

教えてASEAN編集部として日々経営者の方にインタビューさせていただいております!

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