大手通販サイトのローストビーフ部門で1位を獲得

ー　出店されてからはいかがでしたか？
「焼肉」という文化がないダバオの方に知ってもらうことからのスタートでした。日本では知名度向上のためにチラシ配布などが一般的だと思うのですが、フィリピンでは紙で販促活動を行う文化がありません。そのため、FacebookやInstagramのSNSマーケティングを強化させました。売上は伸びていき、2017年12月にはたこ焼きや丼ものを提供する「OMOTENASHI JAPANESE KITCHEN」をフィリピン2店舗目としてオープンしました。そんな順調な最中で、新型コロナウイルスが蔓延し始めました。

ー　大きな影響があったのではと思いますが……。
ダバオは2020年3月19日から5月15日までロックダウンしていたので、ほぼ全てのビジネスが止まっていました。飲食店だけでなく、貿易、不動産事業なども行っていたのですが、動くことができず……。日本で利益を上げなければということで、8月にローストビーフのEC販売（インターネット通販）をスタートしました。おかげさまで某大手通販サイトのローストビーフ部門で1位を獲得することができ、さらなる知名度向上につながりました。

ー　海外進出を検討している飲食店オーナーの方にアドバイスをお願いします。
海外進出したいという気持ちだけでは失敗する可能性が高いので、「きちんと準備をして進出すること」です。初めての出来事や分からないことばかりだと思いますが、領事館に電話で確認するなど、徹底的に調べてください。日本にいながらできることはたくさんあります！

児島社長の今後の展望とは

ー　現在、展開されている店舗について教えてください。
国内では「焼肉こじま」や姉妹ブランド「ホルモン屋　こじま」をはじめ計5店舗あります。海外では、同業態が1店舗と前述の「OMOTENASHI JAPANESE KITCHEN」、ラーメン店の計3店舗をダバオで経営しています。また、2021年の3・4月にはフランチャイズと直営店含め、大阪に4店舗の新規オープンが決定しています。

ー　今後の展開を教えてください。
2021年1月6日に株式会社虎寅という会社を設立しました。この会社では牛肉だけでなく、ラム肉なども提供する新業態「大衆焼肉 虎寅」を50店舗まで拡大する予定です。大阪府の堺市を皮切りに兵庫県神戸市、愛知県名古屋市などに、フランチャイズ（以下、FC）、直営ともに展開していきます。日本で成功しているフランチャイズという事例を作ります。そのブランド力を基に、東南アジアをはじめ海外でも戦っていきたいです。
また、「ホルモン屋 こじま」も3店舗出店が決まっています。

ー　最後に夢を教えてださい！
3年後の2024年、38歳には、現在の飲食事業から一線を退くと決めています。その後、数年は各社の顧問などに就任し、アドバイスできる立場にいようかと。なので、それまでにさらに企業の基盤を固め、若い世代に会社を引き継ぎたいですね。また、やりたい事業が見つかれば、再びイチから取り組んでいきます。

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