ー 新鮮なお刺身や、出汁がしっかり沁み込んだおでんなどの日本食を、店名の通り夕方から朝まで堪能できる「深夜食堂」。後藤社長が飲食業界に入られたきっかけとは?
静岡県で生まれ育ち、大学入学と同時に金沢(石川県)に引っ越しました。当初は友人がいなかったため、ひまつぶしとして繁華街の飲食店やバーに頻繁に訪れていました。そのうち、あるバーの店長が「フランスに行きたいから、お店やらない?」と声をかけてくれたのです。まだ学生だったのですが、思い切ってバーを引き継いだのがきっかけです。
ー 学生をしつつお店を経営していたということですか!?
そうですね。しばらくは学生と両立をしていましたが、学校を退学し、バーの経営に集中することに。6年ほど運営したのですが、バー好きゆえに「お客様側になりたい」と思いお店をたたみました。
ー その後は何をされていたのですか?
経営者を退いた後は、飲食とは関係のない仕事を経験していたのですが、旅行で訪れたタイの「物価の安さ」に興味を持ちました。物価が安いため、伝統的な工芸などの魅力あふれる雑貨をリーズナブルに手に入れられるのです。これらの雑貨の魅力を日本にも伝えたい!という想いから、雑貨店を金沢でオープンしました。
ー 雑貨店を経営されていた後藤社長が、再びバーをオープンすることになった経緯とは?
タイが気に入ってよく遊びに行っていたのですが、現地には金沢で訪れていたようなバーテンダーによる本格カクテルなどを楽しめるバーがないことを残念に思っていました。その時期にちょうど雑貨店が入っていたデパートの取り壊しが決まり、立ち退きをしなくてはいけなくなったのです。日本で雑貨店を続けるか、自分も楽しめそうなバーをタイに出店するかと悩み、タイ進出を果たすことにしました。
ー ブランクのあるバー経営に加えて、異国というハードルまであります。タイ進出はいかがでしたか?
経営以前の問題でした。初めての海外出店なので、何も分かりません。物件の探し方が分からないので、サポートを依頼したら相場以上の高額な費用を請求されてしまったり、ビザ申請を委託しても一向に取得できなかったり……、なんてこともありました。
ー そんなことが。一緒に仕事をするパートナー様によっては、大きな問題に発展しそうですね。
はい。ですが、パートナー様との縁は、正直「運」だと思っています。「人を見極めて」という方もいらっしゃると思いますが、海外ではスピード感を求められるので「パートナー様をじっくり見極める」ということは難しいと感じています。
ー そんなにスピードが重要なのですか?
そうですね。1年に3店舗のペースで出店していた時期は「FOR RENT」の看板を見かけたら家賃を聞いて業態が決まっていないのに契約、なんてこともしていました。物件の競争率が高く「いいな」と思ったらすぐに行動に移らないと、あっという間にライバルに契約されてしまうのです。求人においても、タイ人は将来性よりも「現在」に注力して生きています。就業希望者で当社に合うと思った方はすぐに採用しないと、給与が高いなどの条件がよい他社に就業してしまいます。ここでも「スピード感」が求められます。
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