1995年の阪神淡路大震災をきっかけに「パン・アキモト」が開発した、安心・安全なおいしい防災備蓄パン(パンの缶詰「救缶鳥」)は、被災地でも宇宙でも活躍している有名な商品です。
2017年12月に創業70年目を迎えた「パン・アキモト」。
今回は、そんな「パン・アキモト」のベトナム子会社「PAN VIET AKIMOITO(店名:ゴチパン)」で、立ち上げから製造指導をされている現地日本人代表、秋元さんにお話を伺いました。
記者:秋元さんの簡単な経歴を教えてください。
秋元氏:12年前より「株式会社パン・アキモト」にてパンの製造担当をしておりました。
2015年にベトナム子会社「ゴチパン」の立ち上げを担当する為、ダナンへは長期出張という形で年に数回訪れておりましたが、2017年の12月より新たなプロジェクトを進める為、こちらへ完全に移住しました。
記者:ベトナム進出のきっかけは何ですか?
秋元氏:創業者である祖父が戦時中にJALの無線技士をしており、その時に「将来的にはアジアの発展途上国に技術や機械を与え、祖国で独立する支援をしたい」という考えを持っていたことがきっかけです。
また、日本では少子化により労働者の確保も難しくなってきたところ、外国人技能実習制度にパンの製造も組み込まれているのを知ったことから、弊社でも実習生制度を利用し、ベトナム人実習生を3年受け入れ、その後ベトナムでの独立を支援する様になりました。
その実習生たちのベトナム帰国後のモデル店として立ち上げたのが「ゴチパン」です。
記者:ベトナム進出前に準備したことは何ですか?
秋元氏:お店の設計、デザイン、ロゴは全て日本で製作し、パン製造の機械は日本から持ってきました。
また、店舗立ち上げ前にベトナム人オーナーとマネージャーを日本へ招き、3ヶ月間日本の「パン・アキモト」にて研修を行いました。
記者:何故この立地を選びましたか?
秋元氏:出資会社の物件がこちらだったので、この場所に決めました。
中心地からは離れていますが、近くに学校もあり、予想以上に地元のお客様も多く、良かったです。
記者:営業時間を教えてください。
秋元氏:6:30〜21:00です。
記者:どの様なお客様がいらっしゃいますか?
秋元氏:平日は8割以上がベトナム人のお客様です。
朝は学校に送迎前の親子連れが多く、夕方は学校終わりの中学生や高校生が多いです。
休日になると日本人や外国人のお客様が多いです。
記者:人気メニューBEST3を教えてください。
カレーパン(10,000VND)
日本のカレー粉を使用したカレーパンです。
食パン1斤(20,000VND)
日本人、ベトナム人、欧米人、各国の在住者のお客様に人気があります。
あんぱん(12,000VND)
特に韓国人のお客様に人気があります。
記者:ベトナムで大変なことは何ですか?
秋元氏:はじめはスタッフの入れ替わりが激しい事に悩みましたが、ここ1年程で定着しました。
何かを指導する時は相手が聞き入れてくれる言い回しをしなければならないというところが、日本人を相手にする時と比べて少し大変かもしれません。
また、ふわふわの食パンにベトナムの方は馴染みが無かった為、食パンを買って行ったベトナム人のお客様に、「外は焼けているけど中は生だ!」と言われたこともあります。笑
今では日本の柔らかい食パンも受け入れられ、人気商品の1つとなりました。
記者:次のビジョンは何ですか?
秋元氏:現在・未来、日本で学んでいる実習生のベトナム人が帰国後に独立したり、フランチャイズで店舗を拡大していく際の仕組み作りがこれからの私のミッションと考えています。
全ての店舗で安定したクオリティーを守るのは難しいので、冷凍生地工場を作り、そこからベトナム全土に配送する仕組みを作ることも考えています。
また、将来的には日本の大手パン企業の様に、コンビニやスーパーでも販売できるパン屋にしたいとも考えています。
冷凍配送で日本の様に温度を一定に保って運ぶことが難しい等の課題も沢山ありますが、何事もチャレンジという気持ちで取り組んでいきたいと思っています。
また、現在アメリカでは現地ベーカリーと協力してパンの缶詰の現地製造のプロジェクトを進めていますが、いつかベトナム・ASEAN全体でもそのプロジェクトを進めていきたいです。
時間はまだまだ掛かりそうですが・・・
記者:ベトナム進出を検討されている方へのアドバイスはありますか?
秋元氏:郷に入れば郷に従え、ということです。
日本の良さをベトナムで実現する為には、日本のやり方・考え方が正解とは限りません。
あくまでベトナムの文化や考え方を理解した上で、「どうしたら良い結果を出せるようになるか」を考えることが大切だと思っています。
記者:ありがとうございました。
実は記者がダナンに異動し、はじめに住んでいたアパートがたまたま「ゴチパン」のできる物件だった為、2015年の店舗工事・立ち上げから秋元さんの活躍を拝見させて頂いていました。
実習生制度においては送り出し機関等の保証金トラブルなどが日本ではニュースになっていますが、「パン・アキモト」はそれらを使わず、単独でベトナム人実習生の受け入れを行っています。
これからも、「パン」を元にベトナムだけでなく、世界中で活躍されていく企業だと今回のインタビューを通して感じました。
■GOCHI PAN
122 Phạm Cự Lượng, An Hải Đông, Sơn Trà, Đà Nẵng
TEL:+84 236 6516 688
営業時間:6:30~21:00
https://www.facebook.com/gochipan/
■パン・アキモト 本社工場・営業部
〒329-3147 栃木県那須塩原市東小屋295-4
TEL:0287-65-3351 FAX:0287-65-3353
営業時間 9:00~18:00
日曜定休(祝日は休みの場合があります)
http://www.panakimoto.com/index.html
■パン・アキモト 石窯パン工房 きらむぎ
〒329-3147 栃木県那須塩原市東小屋字砂場368
TEL:0287-74-2900 FAX:0287-74-2900
営業時間 7:00~18:00
火曜定休(火曜が祝日の場合は営業)
■パン・アキモト スマイル店
〒325-0044 栃木県那須塩原市弥生町5-1
福島整形外科病院前
TEL:0287-62-0121 FAX:0287-62-0121
営業時間 7:00~18:00
水曜定休(祝日は休みの場合があります)
※パンがなくなり次第閉店となります
■パン・アキモト 沖縄工場
〒904-2234 沖縄県うるま市州崎12-78
TEL:098-921-4570 FAX:098-921-4571
土・日曜定休(祝日は休みの場合があります)
■パン・アキモト 関西営業所
〒540-0026 大阪府大阪市中央区内本町1-4-12 NPOビル2F
TEL:06-6942-6330 FAX:06-6360-9999
営業時間 9:00~18:00
土・日曜定休(祝日は休みの場合があります)
■パン・アキモト 東京営業所
〒162-0814 東京都新宿区新小川町1-14
飯田橋REEPLEX B’s 5F 株式会社クオーターバック内
営業時間 9:00~18:00
土・日曜定休(祝日は休みの場合があります)
※東京営業所ではパンの缶詰の直接の販売は行っておりません
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