内装の特徴は、和風の趣を感じる洗練されたモダンな空間作りがなされており、設備は最新の無煙ロースターの導入で服に臭いがつかないことがベトナム人に支持されている。店舗物件はいずれも大型で都心の好立地に位置し、大型店を好む傾向が強いベトナム人のハートをずばりとらえている。 メニューは、USビーフを中心に和牛も取り揃えており、また焼肉以外に一品物から焼き鳥や鍋、ご飯ものなど幅広いメニュー構成が特徴。メニュー合計数は261点で、内訳はドリンク53、フード190、デザート18となっている(下記参考、2015年8月末現在)。
強みは、ソフト面では、現地消費者ニーズをくみ上げた価格帯、味、メニュー構成の絶妙のバランスから来る業態としての強み、そしてアメリカからコンテナ調達しているUSビーフの商品力が上げられる。しかしながら、それ以上に際立つのは、長期にわたり現地人客を満足させ続けてきたことで確立された「焼肉を食べるなら浦江亭へ」という圧倒的なブランド力と、小気味の良い接客を全店舗で生み出し続けている組織力である。その背景にオーナーの福田氏が創業以来、並大抵ではない努力を伴って忍耐強く育成してきた現地幹部層の充実が伺える。
ハード面の強みは、いずれの店舗も初期投資がかかる大型物件であり、内装に高級感があること、無煙ロースター等の設備が良いこと、好立地であることがあげられる。さらに、実は店名に現地受けするひと工夫がある。浦江亭という日本語名だけでなく、「PHO DINH」というベトナム語名とのダブルネームとなっている。同店舗はベトナム人の間ではURAETEI(浦江亭)ではなく、「PHO DINH」で認知されている。口コミが現地マーケティングの主流であることを考えれば、ベトナム人客が呼びやすい、覚えやすい店名というのも差別化になるのであろう。
今後について。毎年の経済成長と人口増加による外食市場拡大の恩恵を受けて、同店舗の客足は伸びる一方である。しかし、もちろん焼肉業界には浦江亭にとって強力なコンペティターも存在している。ベトナム資本経営の焼肉チェーン「Gogi House」、「Sumo BBQ」、「King BBQ」、「Suon Cay」などだ。加えて、韓国資本の繁盛焼肉店もあるし、新たに日本資本の「牛角」が参入してきている。拡大が続くが競争が激化しそうな焼肉業界で、浦江亭は、これまで培ってきた業態力、人材力、ブランド力、さらに磨きをかけるであろう調達力を活用し、どのような戦いを展開していくのか。同店舗の今後が非常に楽しみである。
店名:浦江亭(PHO DINH)
資本:日本資本
住所: 1号店:2A NGO VAN NAM,DIST1,HCMC
2号店:67-69-71 NAM KY KHOI NGHIA,DIST1,HCMC
3号店:F40,B1 AEON MALL TAN PHU, 30 BO BAO TAN THANG,TAN PHU DIST,HCMC
4号店:1 PHAN VAN DAT,DIST1,HCMC
5号店:73 HOANG VAN THAI,DIST7,HCMC
6号店:125A TRAN QUOC THAO,DIST3,HCMC CAMBODIA店:NO5,360 STREET,BOEUNG KENG KANG 1,CHAMKAR MON,PHNOM PENH
営業時間:11:00-23:00
WEB:http://www.uraetei-yakiniku.com.vn/
*価格単位はすべてVND(ベトナムドン)。10,000VNDは約50円。
ドリンクメニュー(53点)
タイガービール25,000
サッポロビール生38,000
コーラ23,000
フードメニュー(合計190点)
前菜(12点、キムチ盛り合わせ40,000)
サラダ(8点、きのこサラダ85,000)
一品(7点、豚キムチ炒め80,000)
焼き鳥(8点、つくね55,000)
チヂミ(6点、豚キムチチヂミ85,000)
揚げ物(8点、唐揚げ85,000)
焼肉塩(13点、塩タン80,000)
焼肉タレ(12点、ロース110,000)
ホルモン(9点、上ミノ75,000)
焼き物その他(7点、ソーセージ55,000)
焼肉ファミリーセット(2点、A4人前780,000)
名物メニュー(12点、ドラゴンカルビ200,000)
焼き野菜(14点、たまねぎ9,000)
鍋(9点、しゃぶしゃぶ580,000)
飯(12点、石焼ビビンバ85,000)
麺(6点、冷麺80,000)
スープ(6点、辛いスープ45,000)
焼肉定食(12点、骨付きカルビ定食190,000)
その他定食(27点、コロッケカレー定食100,000)
デザート(合計18点)
プリン(3点、抹茶プリン25,000)
アイスクリーム(15点、くろみつアイス50,000)
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