ヤンゴンで鍋料理店といえば、まず名前が挙がるのが「シュエカウン」だ。
11年前にオープンしてすぐに注目を集め、今ではヤンゴン市内に8店舗を構える人気店に成長した。
その「シュエカウン」が新しいスタイルの店を始め、人気を呼んでいる。
従来のシュエカウンは、真ん中に鍋を置ける熱源を取り付けた数人掛けのテーブルに、グループで訪れた客が一緒になべを囲むスタイルだ。
店舗によっては個室もある。
具材は小さく積み重ねしやすい四角いプラスチック容器に少量ずつ入れてガラス張りの扉がついた巨大な冷蔵庫に種類ごとに積み、客はそこから自由に選ぶ。
客ごとにお盆を持った従業員がつき、そこへどんどん選んだ具材を入れていき、自分の席まで運んでもらう。
皿は価格ごとに色が異なり、野菜などの安い具材で1皿40円前後から。
揚げ物などの1品料理も追加で注文できる。
最後に皿の色と数を見て清算をする。
スープは、中国の火鍋料理店によくある真ん中で仕切った形状の鍋に、辛い・甘いの2種類を入れる。
つまり、具材を自分で選べることと、2種類の鍋を同時に味わえることが評判を呼んだ。
ミャンマーにはそれまでタイスキを出す「コカ」があったくらいで鍋料理店はほとんどなかったが、「シュエカウン」のヒットで続々と似たタイプの店が増えていった。
その後、2010年代の半ばあたりから、中央の凹状に盛り上がった部分で具材を焼き、周囲のドーナツ型にへこんだ部分にスープを入れて煮るという、バーベキューと鍋料理を同時に楽しむタイプのレストランが流行する。
これはタイから入ってきたスタイルで、ほとんどが具材は自分で好きなものを好きなだけ選ぶビュッフェスタイル。
現地では店名にかかわらず、「タイ鍋」と呼ばれている。
タイ鍋に少し遅れてヤンゴンに上陸したのがタイ資本の「シャブシ」だ。
カウンターの各席に熱源があり、ひとりで1つの鍋を食べるひとり鍋の店だ。
具材は回転寿司店にあるようなベルトコンベアで流れてくるものを各自が取るビュッフェ形式となっている。
シャブシは上陸直後こそ物珍しさで連日満員だったが、現在では苦戦気味。
ひとり鍋店にもかかわらずグループ客がほとんどだったことを考えると、ミャンマー人は「みんなで一緒に食べる」ことを好むためではと、個人的には推測している。
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