日本の常識は世界の非常識。
そんな言葉を聞くことがあります。
非常識とまではいかなくても、国や文化が変わると、自分の考えていた常識が全く通用しない!ということが多々あります。
素人の固定概念ではありますが、筆者もカンボジアに来るまで、同業者はすこし距離を置いてお店を出すのがビジネスの常識なのだと考えていました。
繁華街や工業地帯など、同業者が隣接するメリットの大きい場合は例外として、個人で営む商店やビジネスについて言えば、顧客の取り合いになったり、価格競争が激しくなることを避けるため、あえて同業者の近くに出店しようとする人は少ないのではないでしょうか。
しかし、何事もこちらの常識をはるかに上回ってくるのが、不思議な国カンボジア。
この国の常識は筆者の常識と正反対でした。
その常識とは皆さんお察しの通り、「同業者が集まって商売をする」ことです。
例えば、民家が建ち並ぶ通りに、バイクの部品を売るお店が一軒できたとします。
すると、その後数か月の間に、同じ通りに同じようなバイクの部品屋さんや修理屋さんが何軒もでき、あっという間にそこはバイク屋さん通りになっているのです。
はじめは理解できず、ただただ謎・・・と理解不能でしたが、暮らしていくうちにこのスタイルの便利さや利点がだんだんと分かってきました。
今回は、そんなカンボジアの “集まって売る” ビジネススタイルのメリットについて考察してみたいと思います。
“集まって売る”ビジネススタイルの一番のメリットは、顧客に何を売っているエリアなのか認識されやすいことです。
前述のバイクの部品屋さんにしても、1軒だけでは、何のお店なのか、なかなか近隣に認知されにくかったり覚えてもらうことが難しかったりしますが、周りに同じようなお店が数軒あることで、「あそこに行けばバイクの部品も買えるし修理もできる、バイク関係はあそこに行けば大丈夫」と認識されはじめます。
そして誰かのバイクの調子が悪い時、道行く人のバイクがパンクした時、周辺の住民が「あそこにバイク屋さん通りがあるよ」と口々に宣伝してくれます。
テレビCMや新聞の折り込み広告などが普及していないカンボジアでは、家族や友人・知人の口コミが大きな力を発揮します。
地域の人たちにひとたび認知してもらえば、それはそれは大きな宣伝効果が期待できます。
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