タイ政府が日本の協力を得て建設を計画している首都バンコクと北部の都市チェンマイとを結ぶ高速鉄道「タイ新幹線」が着工に向け佳境に入った。2年前から行われていた事業性調査(フィジビリティ・スタディ=F/S)が年内にも完了する見通しとなったためだ。これにより、まずは第1期工事としてバンコク~北部ピサヌローク間約380キロの着工が2019年にも始まる予定。チェンマイには老後を同地で暮らす日本人も多く、日本から高齢者向けサービスなどの進出にも弾みがつきそうだ。
バンコク~チェンマイ間の新幹線計画は、現軍政下の2015年5月に協力覚書が交わされ、これまで事業性調査が行われていた。全長は673キロで、日本の東海道・山陽新幹線の東京~岡山間に相当する。この区間を専用の全線高速鉄道軌で、3時間27分で結ぶ計画でいる。
このうち、第1期工事としてバンコク~北部ピサヌローク間を優先着工する考え。すでに環境アセスメントは終えており、閣議での承認後、19年中には着工ができる見通しだ。第1期に要する事業費は約3000億バーツ(約1兆円)を見込んでおり、財源の一部はPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ、官民連携)で賄う計画でいる。開業は25年を予定する。
ピサヌロークはラオスとも国境を接しており、一部区間の先行開業となっても一定程度の需要はあると見込む。すでに旅行会社の中には、開業後を見据えた国際連絡バスの検討を始めているところもあり、経済活性化の起爆剤となるとも見られている。
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