マレーシア国内の日本食人気の拡大に伴い、注目を集めつつあるのが日本酒。
しかし、ビールやワインなどと比べると、どのレストランでも気軽に嗜めるという訳ではない。
「日本酒は日本食に合わせる」といった固定イメージを持つ人が多いマレーシアで、ローカルの中華系オーナーのダニーさん&サマンサさん(Danny Leong Ee Nung夫妻)が日本酒専門レストラン兼バーをオープンさせ話題となっている。
日本酒ミュージアム(今後展示物が増える予定)を併設した日本酒バー&レストランのTHE SAKE PLACEについて話を伺った。
–もともとは他のビジネスをしていたそうですが、日本酒専門店をオープンするきっかけとは?
日本酒との出会いは5年ほど前でした。
最初に飲んだ日本酒はベーシックなもので、ワインで例えるとハウスワインといったところでしょうか。
スーパーで購入したのですが、その時は特に印象には残りませんでした。
その後、”プレミアムな日本酒(純米大吟醸)”を飲んでみたところ、最初の時とは全く違う印象を持ちました。
口当たりが非常にスムーズで、すっと入っていく感じに驚きました。
720ml(四合瓶)を1本飲んでも翌朝の後味の悪さが全くなかったのを覚えています。
その時以来、私たちは日本酒の魅力に引き込まれたのです。
–以降は実際に日本の蔵元を訪れたり、日本酒に関する知識を学び、酒ソムリエのライセンスなども取得したとか。
外国人向けの英語で学べる日本酒のアカデミーなどで理解を深め、酒ソムリエ協会(Sake Sommelier Academy)やTHE SAKE EDUCATION COUNCILなどに於いていくつかのライセンスを取得しました。
–お二人はなぜそこまで日本酒に魅了されるのでしょうか?
一言でいうと日本酒に対する情熱(passion for SAKE)です。
日本酒を学ぶうちに、日本酒とは、米や杜氏(とうじ)が生み出す芸術であり、世界でも類い稀なクラフトドリンクであることを知りました。
そしてもう一つ、日本では酒の消費量が減ってきている、ということを聞きました。
そこで日本酒の素晴らしさを知ってもらいたい、マレーシアでも盛り上げていきたいと思ったのです。
–料理は日本酒に合わせる、いわゆるマリアージュを考えているとのことですが。
日本酒は日本食レストランでしか飲めない、というイメージが強いですよね。
その固定観念を変えようと、和洋中だけではなくマレーシアのローカルフードとのマリアージュを考えた料理を出すことにしました。
お客様は意外だと思われるのですが、マレーシアのローカルフードとも言えるラクサ (Laksa)も日本酒と合う料理の1つです。
その他、メニューの一例として「保存料不使用のビーフ・ソーセージ(plump Beef Sausage)には、ぬるめの燗(かん)にした山廃純米酒」、「カレー味のパスタ(Dry Red Curry Paste)には、やや甘みのある純米吟醸」というようにただおつまみや料理を提供するのではなく、常にベストな組み合わせを考えております。
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