8月10日に開催された反政府集会では、参加者らは国内で議論すること自体タブーとされる王室の改革(刑法112条の不敬罪がある)を求める声を上げ、当局との間で緊張が高まっています。
軍や警察は、デモ参加者らがそういった要求を今後も続けるなら、集会の強制排除や逮捕も辞さないと警告しています。
軍や警察との衝突が発生すれば、死傷者が出ることもあります。
学生たちの社会的不満が短期的に解消される可能性は低く、中長期的にこういった抗議デモが断続的に発生すると思われます。
デモ集会には絶対に近づかず、周囲で発生したらすぐに避難することが重要です。
そして、タイ政府は9月28日、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、非常事態宣言をさらに10月末まで延長すると発表しました。
非常事態宣言は3月に発令されて以降、今回で6回目の延長となります。
タイでは新型コロナウイルスの感染拡大は抑えられている状況にもかかわらず、政府が非常事態宣言の延長を繰り返していることから、市民の間では十分に経済活動を再開できないとの不満が高まっています。
それが反政府集会を誘発しているとの見方もあります。
非常事態宣言には混雑するイベントや集会の禁止が規定されていることから、延長を繰り返すことで政府は反政府集会を抑えようとしているという非難の声も上がっています(※3)。
(※3)編集部注:10月14日、バンコクの首相府前で大規模な反政府デモが開催されたことを受け、タイ政府は15日4時にバンコクで5人以上の集会を禁じる緊急措置を発表しました。
同時にデモのリーダーら約20人を逮捕しています。
しかし、いずれにしても、この反政府集会の参加者の多くは普通の若者です。
日本のメディアが参加者たちにインタビューした際も、参加者の1人は「ぜひ、日本人にも我々の気持ちを理解してほしい」と答えていました。
また、筆者は何度もバンコクを訪れて思いますが、タイ人は親日家の人が多いです。
よって、反政府集会が起きているからといってタイへの進出をちゅうちょする必要があるとは感じません。
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