※本記事は2020年11月26日時点の情報です。
タイでは依然として反政府デモが続いています。
反政府デモ隊は首相の辞任や王室の改革を求めていますが、政府はそれに応じる姿勢は一切見せていないので、今後も混乱は続きそうです。
デモ隊の参加者は低迷する経済や政府の新型コロナウイルス対策などに不満を持ち、首相の退陣を求めています。
若者を中心とする数千人規模の反政府デモ隊は10月26日、若者や観光客で賑わうバンコク市中心部のサムヤーン交差点からサートン通り沿いのドイツ大使館までデモ行進しました。
なぜ、ドイツ大使館まで行進したかというと、タイのワチラロンコン国王が1年の大半をドイツ南東部・バイエルン州で過ごしており、26日の行進でデモ隊は、
「国王はドイツでタイの国務を行っているのか」
「プラユット首相が退陣を拒否しているので、ワチラロンコン国王が退陣に導かないといけない」
などと叫んだりしました。
その翌日、在タイ日本大使館に隣接するバンコク中心部のルンピニ公園で、王室改革を求める反政府デモ隊が抗議活動を行う中、それに抵抗する王室支持派の市民らが王室維持を訴える集会を開催しました。
王室支持派はタイ王室のシンボルカラーである黄色のシャツを着用し、タイ国旗を掲げて「国王万歳」などと叫んで気勢を上げました。
加えて、反政府デモ隊が王室を批判したり侮辱したりすることを絶対に許さないと警告もしました。
抗議活動が長引くにつれ、反政府デモ隊だけでなく、王室を擁護するグループの活動も活発化しており、反政府デモの状況はより複雑化しています。
11月に入っても、状況は変わっていません。
数千人規模の反政府デモ隊は8日、バンコク官庁街の民主記念塔から王宮前広場(サナームルアン)へ行進し、王宮に近寄らないよう警告する治安当局と衝突しました。
その結果、デモ参加者4人と警察官1人が負傷し病院に搬送されましたが、命に別状はなかったようです。
一方、王室支持派はその衝突に反発し、プラユット首相と陸軍トップに対して、現在の治安混乱を収拾するため、軍事クーデターを敢行し全権を掌握するように求める書簡を提出しようとしています。
翌日、その陸軍トップは、反政府デモ隊が王宮の中に入ることは絶対に許さないと強硬姿勢を崩さない意思を表明しました。
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