⼤⼿ベーカリーと同時期に登場したのが、Swissbakeというスイスのベーカリーブランドだ。
2003年に販売を始めたSwissbakeは、ヨーロッパテイストのパンを販売。
保存料などを⼀切含まず、ヘルシーな材料を使っているのが特徴だ。
⾃前の店舗だけでなく、シンガポールの主要スーパーマーケットの1つであるCold StorageでSwissbakeのホールブレッドが販売されていることから、ローカルからの⽀持が⾼いことが伺える。
ホールブレッド(例:食パン)で5.9ドル(約462円)と、パンに払う金額としては決して安価な値段ではない(スーパーマーケットで販売しているシンガポール老舗のパンメーカーSunshineの食パンは2.3ドル=約180円)。
さらにKRAFTWICHというカフェを併設するアウトレット店舗もあり、シンガポール⼈や欧⽶⼈などがサンドウィッチなどをつまみながら、会話を楽しんでいるシーンによく出合う。
ヘルシーなベーカリーでは、“Eat Well , Be Well”がコンセプトのシンガポールのベーカリ―ブランドCedeleも⼈気だ。
こちらも保存料を使わず、丁寧に焼いたパンを提供している。
主要なショッピングモールに、ベーカリーとカフェを併設したショップを数店舗展開。
カフェではシンガポール⼈の若者や主婦層が楽しんでいるのを多く見かける。
Cedeleではパンだけではなく、テイクアウトメニューのサラダバーも好評で、ランチ時間帯は、パンと合わせてサラダを購入する人が多い。
気になるパンの価格だが、ホールブレッドで5〜7ドル(約391~548円)前後とやや⾼め。
パンを購入するのは主に外国⼈だが、ビジネス街にある店舗ではシンガポール人の客もよく来店している。
シンガポールでは、国民の大多数がHDB(公団住宅)で暮らしているが、そちらの商業施設部分に店舗を構える個人ベーカリー「近所のパン屋さん」も多い。
このようなベーカリーの商品ラインアップは大手同様、食卓パンから惣菜パンまでそろっており、HDBの住民が「気軽に便利に」活用できる店舗として賑わっている。
HDB(公団住宅)内の店舗賃貸料は、一般店舗に比較するとかなり安価なため(安いと、賃料が1,000ドル=約7万8,250円くらいのところもある)、パンの販売価格も良心的だ。
しかし大手ベーカリーや、外資系ベーカリーと比べると、パン生地はかなり粗目な印象。
また最近では原材料にこだわりを持ち、自社でオリジナルのパンを製造・販売する個性的な魅力を打ち出した、Artisan Boulangerieと称する個人ベーカリーも増えている。
このようなベーカリーはオシャレな人気スポットとなっており、ほとんどの店舗がオンラインで購入できる。
オーナーはシンガポール人もしくは外国人とパートナーを組むシンガポール人が多い。
パンは日本と比べるとやや硬めだが、味はおいしい。
価格は大手ベーカリーメーカーやHDBのベーカリーと比較すると高めだ。
人気の個人ベーカリーをいくつかご紹介しよう。
1:Tiong Bahru Bakery
シンガポールでベーカリーと言ったら、Tiong Bahru Bakeryは外せない。
ベーカリーカフェで、現在は観光客も訪れるほどの人気ぶり。
2012年に1店舗目をオープンし、現在ではカフェ併設店含め島内で6店舗を展開している。
おすすめはバタークロワッサン3.5ドル(約274円)。
パン通の間で人気のサワードウ(※2)は9.5ドル(約743円)で販売されている。
筆者の個人的な見解だが、このベーカリーが注目を集め始めてから、シンガポールでこだわりを持った個人店が増えてきたように思う。
(※2)野生の酵母と乳酸菌を使い、低温で長時間発酵させてから焼いた、3000年以上の歴史を持つ伝統的なパン
2:Bread and Hearth
今、オシャレなエリアとして注目を集めているKeong Saik RoadやEast Coast Roadに店舗を持つベーカリーカフェ。
パンはフランスの小麦粉やバターを使っている。
サワードウ8.5ドル(約665円)やペイストリー3~4ドル(約235~313円)前後が人気。
3:Konditori Bakes
アラブ人街のすぐ裏のストリートにあるベーカリー。
シンガポール人とスウェーデン人のカップルが経営しており、クロワッサンや多種多様なペイストリーが店舗に並んでいる。
シナモンロール4.9ドル(約383円)などが人気。
4:Artisan Boulangerie Co
Artisan Boulangerie Co、通称ABC は、2013年にオープンしたカフェベーカリー。
島内に4店舗展開し、シンガポールのレビューサイトBest In Singapore で2020年のシンガポールベストブランチスポットの1つとして選ばれてもいる。
オーナーシェフは毎年フランス・パリで開催されているコンテスト”Grand Prix de la Baguette de Traditional Francaise de la Ville De Paris”のBest Baguette Competitionを受賞した経験を持つ。
フランスの伝統的な製粉所から直接輸入した小麦粉や、欧州レベルでの原産地呼称保護認証を受けたフランス・Poitou-Charentes産のバターなど、高品質の材料で焼いたパンやペイストリー(パイ)を提供している。
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