近年、経済成長を続けるベトナムではデジタル経済への注目が集まっています。
筆者は最近、米国のGoogleやBain & Company(米国ボストンに拠点を置く経営コンサルティング会社)などが共同で発表した報告書「e-Conomy SEA 2020」(参照 https://economysea.withgoogle.com)の要点を中心に読んだのですが、ベトナムのデジタル経済規模は2020年に140億米ドル(前年比16%増)に達し、2025年には2020年の3.7倍にまで大きくなると予想されています。
2019年から2020年にかけての伸び率は、インドネシアやマレーシア、フィリピン、タイなど他の東南アジア諸国より高く、今後の経済成長率は東南アジアで1番とも言われています。
去年初めの新型コロナウイルスの感染拡大以降、筆者もベトナムへ渡航できていませんが、これまで20年に渡って同国を訪れ肌で感じるのは、ベトナムの近代化のスピードは他の東南アジア諸国と比べてすさまじいものがあると思います。
例えば、市民の方々の携帯電話の保有率はここ数年で鋭く増加傾向にあり、ベトナム人の友人によれば、近年ベトナムでもスマホ歩きへの注意喚起が当たり前になっているらしいです。
スマホ歩き自体がデジタル経済を象徴する1つのケースになりますが、ビジネス上での連絡手段でもデジタルツールが飛躍的に向上しています。
また、現地に駐在する日系企業関係者によると、ハノイやホーチミン、近年リゾート地としても知名度を上げるベトナム中部の主要都市・ダナンの現地企業とのオンライン会議はコロナ禍前から日常的に行われていましたが、最近は地方に拠点を置く企業ともZOOMなどを使ったオンライン会議が増えているといいます。
ベトナム政府も最優先課題としてデジタル化を強化しています。
ベトナム政府は最近、2025年までに全国民を対象にQRコードを使用したデジタルIDや電子健康記録を保有させ、国民のスマートフォンの所有率を100%にする戦略を打ち出しています。
また、全世帯にデジタルアドレスを与え、病院との遠隔診療や売買のオンライン決済などを強化していく方針も示しています。
上述のようなことを考慮すれば、デジタル経済が進むベトナムと日本との結び付きは中長期的な安定が見込まれるだけでなく、経済発展によって中間層が増えることで日本食への需要もさらに高まり、日本の飲食業界にとっては今後さらに重要な市場になることが予想されます。
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