次にインドネシアの主要なECプラットフォームを厳選して3つご紹介します。
Tokopediaは2009年にインドネシアで設立されたオンラインマーケットプレイスです。
Statistaのデータによれば2021年の第1四半期は月間1.35億トラフィックを記録しており、インドネシア国内で堂々第1位となっています[4]。
Tokopediaといえば日本のサイバーエージェントグループ(2011年)やソフトバンクグループ(2014年)が投資したことでも有名ですね。
2021年にはインドネシア最大級のオンライン配車・配送サービスGojekと経営統合し、現在はGoTo Groupとして経営されています。
Tokopediaでは数えきれないほどのプロモーションを随時展開していますが、特に飲食関連で目立つのは「Tokopedia Nyam」という催事です。
いわゆる「フラッシュセール(超短期間での大幅割引セール)」で、大手から新進気鋭の飲食店までバラエティに富んだ商品が半額以下のお値段で試せます。
定期的に開催されており、開催時は我が家の妻もスマホを片手に1日中チェックしています。
もし飲食系のビジネスを展開するなら、必ずチェックしておくべきサービスでしょう。
Shopeeは2015年にシンガポールで設立されたオンラインマーケットプレイスです。
Eコマースサイトとしては後発です。
初期はアプリのみの展開でしたが、現在はWebサイトも完備し、大規模なB2C、C2Cのプラットフォームとして運営されています。
後発ながらその後の展開には目を見張るものがあり、現在は東南アジアほぼ全域に加え、東南アジア外にもビジネスを拡大しています(※)
※2021年11月時点でシンガポール、マレーシア、フィリピン、インドネシア、タイ、ベトナム、台湾、ブラジル、メキシコでECプラットフォームを展開。
Statistaのデータによれば2021年の第1四半期は月間1.27億トラフィックを記録しており、インドネシア国内では第2位となっています[4]。
1位のTokopediaが1.35億トラフィックなので僅差です。
いつ逆転してもおかしくはありません。
Shopeeといえば「ぞろ目のセール」が有名です。
10月10日、11月11日のようにぞろ目の日に併せて特大規模のセールを展開しています。
また、リアルタイムで展開する「ライブオークション」型のイベントも特徴的です。
オークションでは「自動車」など目玉商品が登場し、消費者は入札に参加することができます。
幅はありますが正規価格の6掛けくらいの値段で購入できます。
ということで筆者も数度挑戦していますが、残念ながらいまだ落とせたことはありません。
Bukalapakは2010年にインドネシアで設立されたオンラインマーケットプレイスです。
Statistaのデータによれば2021年の第1四半期は月間3417万トラフィックを記録しており、インドネシア国内では第3位となっています。
Bukalapakといえば、2021年にインドネシア最大のIPO(新規上場株式)と呼ばれながらインドネシア証券取引所に上場しました。
上場で得た資金をどのように使い、上位のTokopediaやShopeeとどのように戦っていくのか注目が集まるところです。
インドネシアでECが急成長しているとはいえ、2020年時点で小売全体の6.1%にしかすぎません。
インドネシア小売全体における伝統的市場の比率は7~8割と言われており、この伝統的市場のデジタル化がインドネシアの課題であり、成長の鍵となるでしょう[5]。
一見TokopediaとShopeeの2大決戦にも見えますが、今後の流れ次第では大きな逆転劇が見られるかもしれません。
【参照】
[2]INVESTOR.ID「2025, Pembayaran e-Commerce RI Capai US$ 83 Miliar」
https://investor.id/it-and-telecommunication/269618/2025-pembayaran-ecommerce-ri-capai-us-83-miliar
[3]JETRO「新型コロナ禍を奇貨にEC取引が伸長(インドネシア)」
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2021/0302/bcfc2edd39c2966a.html
[4]Statista「Top 10 e-commerce sites in Indonesia as of 1st quarter 2021, by monthly traffic」
https://www.statista.com/statistics/869700/indonesia-top-10-e-commerce-sites/
[5]みずほコーポレート銀行産業調査部 藤野 裕司「インドネシアの食品流通」
https://www.shokusan.or.jp/wp-content/uploads/2019/03/ovs-275pdf3.pdf
※1米ドル=約112.83円で換算
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