それは『e-money』だ。
もっとも、このe-moneyという呼び名は、もともとはマンディリ銀行発行のキャッシュカードを指す固有名詞だった。
しかし今では、他行のキャッシュカードに対しても適応される普通名詞になっている。
e-moneyは非接触式カードである。
電車、バス、高速道路等の交通機関での利用や、コンビニ、レストランでの電子決済にも用いることができる。
外国人にとっても、このe-moneyは必ず持っていなければならないものである。
そう断言できる理由を、以下に書いていきたい。
筆者が配車サービス『Go-Car』を利用した時である。
このサービスはアプリを通じてドライバーと連絡できるようになっているが、その際に「カードを持っているか?」と質問された。
それがなければ、高速道路を使うことができないという。
ここで言う「カード」とは、冒頭のe-moneyを指す。
去年、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は各都市で慢性化する渋滞の解消策として、このような方針を打ち出した。
「高速道路の完全キャッシュレス化」だ。
2017年10月31日以降は、高速道路での現金利用は一切できなくなった。
しかし、インドネシア市民の乗る自動車にETC端末を搭載しているものは決して多くない。
もちろん、だからといって中央政府が強制的にETC端末を市民に買わせるわけにもいかない。
そこでe-moneyという手段が出てくる。
僅か2万ルピア(約150円)で購入できるこのキャッシュカードは、インドネシアのキャッシュレス化を急加速させた。
ジョコ大統領の高速道路に関する決断は、いささか強引にも感じるが、開始から今に至るまで大きな混乱が発生していないのはe-moneyの効果である。
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