新型コロナウイルスの感染が世界で猛威を振るい、ASEANのほとんどの国では2020年のGDP成長率はマイナスとなっています。
しかし、コロナの早期収束に成功し、唯一プラス成長だった国があります。
それが、ベトナムです。
ベトナム国会は4月5日、グエン・スアン・フック首相を国家主席に、ファム・ミン・チン共産党中央組織委員長を首相にそれぞれ新たに抜擢しました。
今後は、事実上の最高指導者であるグエン・フー・チョン共産党書記長を中心に、新たなベトナムが動いていくことになります。
ちなみに、2020年菅首相が初の外遊先としてベトナムを訪問し、そこで会談したのがフック氏です。
では、新体制となったベトナムは、日系企業にどのような影響を与えるのでしょうか。
新体制は、基本的には米中対立の中でどちらにも偏り過ぎないというバランス政策を取り、これまで通り日本重視の姿勢を変えることはないと見られています。
新体制になったからといってベトナムに進出する、もしくはこれから進出しようとする日系企業に大きなデメリットが生じることはなさそうです。
むしろ、今後のベトナム周辺の政治情勢を考えれば、日系企業にとってベトナムでのチャンスは今以上に大きくなる可能性があります。
理由は大きく2つあります。
1つ目は米中対立です。
バイデン米大統領は最近、中国に対抗するため、半導体や人工知能、脱炭素技術などハイテク分野へ今後8年間で2兆ドル(約219兆円)を超える投資を行っていくと明らかにするなど、経済での米中対立も激化しています。
加えて日系企業にとっては、リスクヘッジという観点から、いわゆるチャイナリスク(不買運動や破壊行為、不当拘束など)が大きくなっている中国に展開するよりも、ベトナムが魅力的な生産移管先となるでしょう。
実際、経済安全保障を専門とする筆者の周辺では、チャイナリスクを回避すべく生産移管先としてベトナムへシフトする日系企業も少なくありません。
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