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【インドネシア】急成長の小売ベンチャー「Warung Pintar」がフェアトレード流通事業を買収

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「Limakilo」のサイトでは、野菜を販売している農家の情報多数表示される

先日、筆者はインドネシアの小売スタートアップ『Warung Pintar(ワルンピンタル)』についての記事を執筆した。

【インドネシア】Wi-Fi完備の最先端小売店舗「Warung pintar」が急成長

インドネシアには「Warung(ワルン)」という形態の小売店舗がある。
キヨスクと昔の乾物屋を足して2で割った店と、表現するべきか。
それをユニット化し、さらに無料Wi-Fiや充電スタンドも設置したのがWarung Pintarである。

そのWarung Pintarが、今年2月に極めて大きなアクションを起こした。
農産物流通ネットワーク『Limakilo』を買収したのだ。

バイクタクシーと「Warung」

asean181127warung3まずはWarung Pintarについて、今一度解説しよう。

Warung Pintarは日本のキヨスクよりも小さい屋台のようなスペースに、飲み物から日用品、軽食までがそろい、無料Wi-Fiや充電スタンドも設置された非常に便利なお店だ。
しかも店舗によっては、食事まで提供されている。
今やこの小さなスペースが、ある職業の人達にとってなくてはならないものになっているのだ。

近年、インドネシアではバイクタクシーの配車サービスが急成長。
『Go-Jek』や『Grab』などが全国各都市部に進出し、今や市民の足として頻繁に利用されている。

問題は、バイクタクシーのライダーがどこで待機するかという点だ。
スマートフォンのアプリで呼び出しがかかる仕組みだから、彼らは都市のどこかで待たなければならない。
そんな彼らが待機場所として利用しているのが、Warung Pintar。
無料Wi-Fiでいつでも連絡が取れるし、充電切れで連絡が取れなくなる心配もない。
食事にも困らないので、待機中に必要なものが何でもそろう。
つまり、「バイクタクシーの待機所」という性格を帯びているのだ。

仲買人問題を解消する「Limakilo」

asean190321limakilo2ここで話は大きく変わるが、インドネシアには「仲買人問題」というものがある。

平たく言えば、仲買人が中間マージンを得る問題だ。
農家から小売店舗へ商品が行き届くのに、複数の仲買人が存在する。
すると小売価格も農家への配当も、仲買人の都合で決まってしまう。

ならば、農家と小売市場を直接つなげばいいと考えたのがLimakilo。
Limakiloは、仲買人の介入を防ぐ流通プラットフォームを運営する。

インドネシアの実体経済を支えているのは、ワルンや屋台といった零細商店、あるいは伝統的市場(パサール)である。
それらに商品を供給する問屋は緻密に組織化・体系化されていて、事業者側としても小さなスペースで商いができるという利点がある。
しかもインドネシアでは決して少なくはない中学校卒や小学校卒が最終学歴の人に対し、雇用を与えている。

だが考えてみれば、現代の経済先進国もかつてはそのような状況だった。
1970年代から80年代にかけてアメリカで放映されていたTVドラマ『大草原の小さな家』という作品がある。
ウォルナットグローブという開拓民が住む町にはオルソン一家が営む雑貨屋があり、この店がウォルナットグローブの消費を支えていた。
インドネシアの場合は大都市から山間部の集落まで、必ず1軒は「オルソンさんの雑貨屋」が存在するというわけだ。

それに着眼したのがLimakiloである。小売店ではなく問屋に徹することで、フェアトレードの農産物を市場に流通させようという発想だ。


Warung Pintarで提供される食事の材料は、Limakiloを通じて取引されるフェアトレード商品に置き換わる。

仲買人問題の解消に、大きな一歩を踏み出したと言っても過言ではないだろう。

フェアトレードの確立へ向けて

Warung Pintarは、アジア地域を代表するベンチャーキャピタルのEast Venturesの社内ベンチャープロジェクトである。

East Venturesは、大手金融機関の重役が退社して設立された企業というわけではない。
創業陣までがベンチャー起業家で、故に他のベンチャーキャピタルよりもさらに野心的な方針が目立つ。
結果的に上場を果たした日本のスタートアップも、East Venturesから資金を調達した例が多々見受けられる。

アジアでは非常に影響力の大きいベンチャーキャピタルだが、そのような企業がフェアトレード問題に注目し始めたという点は特筆に値する。

フェアトレードが確立されると、先述の理由で小売価格は高くなるどころか逆に安くなっていく。
同時に、仲買人が複数人いる流通システムでは農産物の産地が不明瞭になってしまうが、それもなくなる。
仲買人制度は「食の安全」を考える上で、深刻な要素となっているのだ。
フェアトレードの促進は、今後のインドネシアの飲食業界では重要課題になっていくだろう。

【参考】
Warung Pintar
Limakilo
limakilo.id – petani bawang menuju pasar digital | liputan bbc indonesia

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