「縁」の店内に足を踏み入れた時に感じるのは、我が家に帰って来たような安心感。
瀬川さんとスタッフの皆さんによる、さりげなくこまやかな気配りによって、仕事の疲れは癒しへと変わっていきます。
小まめにお酒を注いでくださるスタッフさん達の存在は、会話と食事に集中したい会食時などに大変ありがたいものです。
「細かいことを定めたサービスマニュアルを用意しているわけではありませんが、ホスピタリティを自然と発揮できるスタッフが集まってくれていますね。
採用時には英語や日本語といった言語能力ではなく、料理やサービスへの情熱や人柄を重視しています」
と瀬川さん。
英語や日本語を話せないスタッフも多いので、店内でのやりとりは、すべてクメール語で行っているそう。
コミュニケーション上の不都合は特にないそうですが、少し難しいと感じるのは、従業員のモチベーション維持。
「カンボジア人はマイペースなところがあるので、何がなんでも仕事というわけにはいきません。
仕事を頑張るためには、適度に楽しい息抜きの時間が必要になってきます」
カンボジア人気質が性に合っているため、特にストレスは感じないという瀬川さんですが、スタッフのやる気を保つための工夫をしていると言います。
「時には一緒に食事に出掛け、リフレッシュする機会を作るようにしています。
それから、細かい小言を立て続けに言わないようにしていますね。
頭ごなしに注意しても理解してもらえないですし、雰囲気が悪くなってしまうので」
物事の伝え方についても留意しているそう。
「何か注意したいことがあるときには、自分ごとに置き換えて考えてもらえるように例を出して説明しています。
みんな、『自分がされたくないことはしない』という価値観を持っているので、単純に『これはだめ』と言うより、スムーズに理解してくれることが多いですね」
オープン当初からカンボジアの女性達とともにある瀬川さんの想い。
「初めてカンボジアに来た頃、飲食業は社会的地位が低い仕事だと思われているように見えました。
実際にはとても奥深く価値ある仕事ですし、効率を高めてみんなで気持ちよく働けば、お給料もたくさんもらえる、そんなことを伝えたくてお店を続けてきました」
さらに今後は、従業員の女性達がより働きやすい環境を整えていきたいそう。
「カンボジアでは、親や親戚に子どもの世話を頼んで働きに出る女性が多くいますが、親世代が高齢になってくると面倒を見きれなくなることもあります。
例えば、託児所のようなサービスや、子どもに何かあったときにお店側でもサポートをしてあげられるような体制を作れたらよいですね」
従業員はファミリーのような存在だと語る瀬川さん。
「彼女達の家族が皆元気に暮らしていけるように、お店としても力になりたいと思っています」
スタッフの皆さんが笑顔になることで、お客様が一層安らげる空間が生み出されていくことでしょう。
日々、異国の地で頑張り続ける日本人の憩いの場となるようなサービスを、他店に先駆けて提供し続けてきた「小料理屋 縁」。
それだけでなく、常連のお客様の心をつかんで離さない人気の秘訣は、女将の瀬川さん自らが常時接客し、お客様一人一人とのコミュニケーションを欠かさない点にもあるでしょう。
和の心とカンボジアへの愛が詰まった料理に、人の温もりが伝わるきめ細やかなおもてなし。
「小料理屋 縁」は、プノンペンで働く日本人の心と舌を癒すホームのような場所です。
■小料理屋 縁 YEN
住所73B, St.95, Bang Keng Kong 3, Chamkarmon, Phnom Penh
電話:095 301 010、078 489 100(日本語対応)
営業時間: 17:00~23:00(L.O.22:30)
定休日:なし
※臨時休業はFacebookなどで都度告知
Facebook:https://www.facebook.com/JAPANESE.RESTAURANT.YEN/
※1アメリカドル=約106円で計算
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