ヤンゴンでローカル客にも人気の「横綱ヤンゴン」。
前回はローカル客が日本の麺のおいしさに気付き始めた記事をお届けしました。
その後、「横綱ヤンゴン」に取材を進めてみると、なんと!ミャンマーでつけ麺まで提供していることが分かりました。
「小麦粉は良質なものを手に入れられたので地元産を使用していますが、製麺工場に仕様書を発注して、特別な製法で作ってもらうことで、2018年10月から日本と同じくらいの麺の太さ・コシでつけ麺も提供できるようになりました」と店長のカウンさん。
「濃厚豚骨魚介つけ麺」(Pork Broth and Seafood Base Dipping Noodle8,000チャット/約576円)と、辛党向けに「辛辛豚骨魚介つけ麺」(Spicy Dipping Noodle8,000チャット/約576円)を提供しています。
日本人駐在員などには「ヤンゴンでつけ麺が食べられるなんて!」と感動の一品になっているようです。
ローカル客にも少しずつ人気が浸透中とか。
現在、つけ麺には太麺、豚骨ラーメンには細麺、その他の塩・みそ・しょう油ラーメンには中太麺を使用しています。
最初は麺の太さの加減が製麺工場にうまく伝わらず苦労したそうですが、試作を重ねた上、現在の太さに落ち着いたとのこと。
前回もお伝えしましたが、ミャンマーの麺文化は日本と同じくらい発展しており、中国料理の影響も受けているせいか、いろいろな種類と食べ方があります。
しかし日本のラーメンとなると、まだそこまで浸透しておらず、「珍しい食べ物」という感じ。
ミャンマー人向けに商品開発した場合、地元の料理店との勝負となるためレッドオーシャンとなってしまいます。
また単価も低く設定しなければなりません。
一方、日本のラーメンスタイルを貫いて現地の日本人にのみ提供した場合、まだミャンマーには日本人駐在員が多くはないので経営が厳しくなってしまいます。
そこで同店では、「日本のラーメンスタイルを貫きつつ、現地日本人だけでなくミャンマー人にも食べてもらうことができれば商売として成り立つ」と考えました。
顧客ターゲットは日本人駐在員と、ちょっと高めの外食が可能なミャンマー人のアッパー層です。
現在はローカル客と現地在住の日本人客が半々くらい来店しています。
観光客は比較的少ないようです。
品質は日本のまま、価格帯は現地のミャンマー人でも注文できる5,000チャット~9,999チャット(約360円〜約720円)の価格帯で運営しています。
「ミャンマーで生活する者としての肌感覚としては、1万チャット(約720円)以上の外食を頻繁にするのは難しい気がします」とカウンさん。
「横綱ヤンゴン」のラーメンを安心して注文できるミャンマーのアッパー層には、日本の情報もすでに浸透しているそうです。
食へのこだわりを持っていたり、和食やラーメンへの関心が高かったりするのだとか。
だから日本の麺がコシの強いことを紹介する広告を出したり、詳しく説明したりはしなくとも、自然に理解をしてもらえているようです。
それよりも、価格的にも品質的にも、お客様がラーメンを安心して食べられるような環境を提供することに注力されているとのこと。
「世界的に有名なラーメンがミャンマーに浸透しないわけがない」と、カウンさんは今後のラーメン人気の裾野の広がりを期待しています。
同店は、夜は居酒屋として運営をしているため、「ちょっと一杯やりながら、日本食を食べたい」と思って来店する日本人やミャンマー人を集客しています。
そして「夜も価格帯には注意して提供している」とカウンさん。
例えば刺身などの提供も可能ですが、価格はそれなりに高くなってしまいます。
現在の店舗運営の方針にはそぐわないため、見送っているとのこと。
また同店では、豚骨やつけ麺の他に、現地では大変珍しい塩ラーメンまで提供しています。
豚骨ラーメンと同じくらい、こちらも大好評です。
日本に留学経験のある店長のカウンさんは、「ミャンマー料理は脂っこいものが多いので、あっさり味の塩ラーメンが日本人駐在員に特に喜ばれています。
バターをトッピングしてもとてもおいしいので、トッピングアイテムに用意しています」と説明してくれました。
メインメニュー
教えてASEANコラム
お問い合わせ
人気記事ランキング
新着記事
国別で記事を探す
おすすめキーワードで記事を探す
ライター紹介