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【ペンのASEAN紀行】東北タイの〝小京都〟ルーイ県チェンカーン

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タイムトリップしたかの感覚だった。
街は総木目作り。
宿や食堂だけでなく、商店も、銀行も。
建築上・保安上必要な場合は、打ち出しのコンクリートに木目調の塗装を施すのが村のルールだった。
こうして村は伝統を守り続けてきた。
静かな宿場町ルーイ県チェンカーン。
今回はこの村を紹介しよう。

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東北部(イサン)地方の西北端に位置するルーイ県。
メコン川に面し、川の向こうは隣国ラオス。
一帯は低い山々に囲まれており、標高は高いところで700メートルほど。
このため、冬(12月~1月)の気温が一桁台になることも珍しくなく、米や高原野菜のほか夏冬の気温差を利用したワイン用ブドウの栽培も盛んな農業県というのが特徴だ。

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チェンカーン郡へは県庁所在地のムアン・ルーイからほぼ真北に国道201号線を約50キロ。
メコン川に突き当たった一帯に集落がある。
驚くのはその光景だ。
古都・京都にでも迷い込んだかと見間違うほどの街並み。
いやいやよく見ると、バルコニーに赤い花が飾ってあったりと、どこかお洒落で小綺麗。
街の造りもどちらかと言えば新しい。

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村人に聞いてみた。
「ここらは決まりがあってね。勝手に家を建ててはいけないの。ちゃんと街並みにあった造りにしないと。そうやって私たちは暮らしてきたのよ」。
80歳にはなろうかというノックさんは洒落た日傘の下で可愛らしく微笑んだ。
タイの夏の真っ盛り、炎天下の昼下がりだった。

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試しに商店などが建ち並ぶメーン通りに出てみた。
少し歩いて、その理由は分かった。
今やタイ全土に10000店になろうかというセブン・イレブン。
街に2軒ある店舗のいずれもが、木目調に似せた造りとなっていた。
スーパーのテスコ・ロータスも同様だった。
店そのものがすっかり街に溶け込んでいた。

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圧巻だったのは銀行だ。
上位市中行の一つカシコン銀行。
やや大型店を思わせるチェンカーン支店は、木目の中にシンボルカラーの緑色がアクセントに。
鮮やかに調和したナチュラルな感覚が斬新なイメージを与えていた。
傍らには、観光客向けに写真撮影のコーナーも。
政府系銀行のクルンタイ銀行も同様で、青空と木々を思わせる色彩の組み合わせにしばし心を奪われた。

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訪ねた4月上旬は、タイで最も暑い時期。
日差しは刺すように肌に刺激を与え、30分も歩けば熱中症になることは必定だった。
このため、村では正午から午後4時までを昼休みと奨励し、多くの店が休みを取っている。
暑い時間帯は避け、涼しくなったら活動する。
自然を活かした暮らしがあった。

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メコン川のほとりに静かにたたずむチェンカーンの街並み。
どこかで小京都を思わせる造りは、日本や日本を知る人々の旅情を誘うに違いない。
街を見下ろす小山プー・トックからは季節によって雲海が広がることも。
来年の今頃は当地で、のんびりと執筆活動に取り組んでみたい。
そんな思いを新たにした。

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この記事を書いた人(著者情報)

kobori

2011年11月、タイ・バンコクに意を決して単身渡った元新聞記者。東京新聞(中日新聞東京本社)、テレビ朝日で社会部に所属。警視庁記者クラブで2・4課担当を通算4年経験。銀行破綻などの各種金融事件、阪神大震災、オウム真理教事件などの取材にも当たった。事件記者出身だが、取材対象は政治・経済、社会、科学、文化までなんでも。日本の新聞、雑誌、タイのフリーペーパーやウェブサイトなどでも執筆中。著述、講演多数。

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