旅行先のような感覚で手軽に生ビールを味わってもらおうとタイの大手コンビニエンスストア、セブンイレブンとファミリーマートが始めた店頭での試験販売が、反アルコールグループによる反対で開始からわずか1週間余りで廃止に追い込まれた。
タイには、仏教行事日と選挙の前日など特定の日でアルコールの販売を禁じる法律があるが、これまで様々な抜け道があった。
ところが、4年目となる軍事政権が取り締まりを強化しており、反対グループが流れに乗じて押し切った格好だ。
「セブンイレブンを展開するCP ALLは未成年者のアルコールへのアクセスを容易にさせ、中毒者を増加させようとしている」――。
こんなプラカードを手に反アルコールグループのメンバーがCPグループの本社(バンコク・シーロム)のあるCPタワーに押しかけたのは10月6日のことだ。
10月に入ってからセブンイレブン18店舗で始まった自動注入機による生ビールの販売に抗議するためだった。
CP ALLを傘下に持つタイ最大の財閥CPグループにとっては「全く予想だにしない事態だった」(広報担当)。
抗議メンバーの中には科学者もいて、「未成年者が容易にアルコールに接する機会を提供している。2008年アルコール管理法に明確に違反する」と保健省への刑事告発も辞さない構えだったことから経営幹部が緊急会合。
4日後の10日インターネットを通じて、試験販売の一斉廃止を発表した。
矛先は同様のサービスを展開していた大手財閥セントラル・グループのファミリーマートにも向けられた。
セブンと同じように抗議を受け販売の中止を決定。
店頭から自動注入機を撤去した。
今後の再開の見込みはないという。
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