ASEAN諸国はアイディアの宝庫、と多々思うことがある。
ちょっとした工夫で大きな利益を上げたビジネスを目の当りにできるからだ。
我々が当たり前と思っていることを、あるひとつの工夫で覆す。
「常識」とは極めて脆いものだ。
しかしその「常識」を、我々は天まで伸びる壁のように見ているのも事実である。
ここでは一度、「常識」の向こう側を覗いてみよう。
昨年10月、インドネシアで店舗を展開する喫茶チェーン店『Kopi Kenangan』がシードラウンド800万ドル(約8億8,000万円)の出資をベンチャーキャピタルから獲得した。このKopi Kenanganは現在、ジャカルタ市内のオフィスビルやショッピングモールに店舗を置いている。
Kopi Kenanganの最大の特徴は、「コップの口を密閉する」ということに尽きる。
プラスチックのコップの上からビニールを接着することで、どの角度に傾けても中身がこぼれないようになっている。
カウンターに密閉のための機械が用意されているのだ。
淹れたてのコーヒーを、その場で即座にシーリングすることができる。
客は先の尖ったストローでビニールに穴を開けて飲む。
たったこれだけの工夫であるが、それがKopi Kenanganが躍進するきっかけになった。
利用客にとっては飲み物の持ち帰りが容易になり、それ故に店舗でコーヒーを飲む必要性がなくなったのだ。
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