風通しのよいアットホームな店内で、ワイングラスを片手にピザを頬張る人々。
プノンペンのトゥールトンポンエリアにあるイタリアンレストラン「Trattoria Bello」は、欧米人を中心とするお客様でいつも賑わっています。
2015年2月のグランドオープンから4年以上にわたり、近隣の人々に愛され続けている秘訣はどこにあるのでしょうか?
オーナーの北浦 弘樹氏(以下、北浦氏)を訪ね、出店以来取り組んでこられたことや、お客様に評価されているポイントなどについてお話を伺いました。
大阪府・泉佐野市出身で、専門学校卒業後は介護福祉士として働いていた北浦氏。
25歳になり、改めて今後の生き方を考えた時、幼少期から興味のあった食に関わる仕事へと転向することを決意したそうです。
「自然に囲まれた地域で育ち、畑や農家が身近だったということもあり、食にはずっと関心がありました。
介護福祉士の仕事は面白かったのですが、まったく別の領域で経済の仕組みを勉強したいという気持ちがありました」
その後、地元のイタリアンカフェダイニングでアルバイトとして働き始め、後に社員となり経験を積んで店長まで昇格。
1年後、カンボジアで飲食店を出店する話が持ち上がったのを機に、カンボジア進出を果たしたそうです。
「それまでも『海外で挑戦してみたい』とは漠然と思っていましたが、お世話になっていた方々の縁もあり、カンボジアで独立・起業することができました」
顧客層についてはオープン当初から大きな変化はなく、欧米系(アジア人以外)60%、東アジア人(日本・中国・韓国など)25%、カンボジア人15%という割合をキープしているそうです。
日本人経営でありながら、これほどまでに欧米系のお客様のハートをつかんでいる理由はどこにあるのでしょうか?
「在住外国人の中でも数の多い、欧米系の方々をターゲットに店づくりをしてきた成果だと思います。
欧米の方々に喜んでいただけるのは何であるのか?徹底的にリサーチした上で、ブランディングから内装デザインの面までこだわりました。
オープンキッチンで開放的な空間というのは、気に入っていただけている一因だと思っています」
出店地は欧米人の在住者が多く、近年住人が増えてきているトゥールトンポンエリア。
「のんびりとした雰囲気の住宅地で業態に合うと思いましたし、出店当時からターゲットとなる欧米の方々が多く住んでいました。
アパート建設も盛んだったので、これからさらに人が増えるだろうという見込みもありましたね」
ターゲットを明確にしていたことが、店づくりにも、立地にも功を奏したということですね。
接客についても、ターゲットに合わせて工夫していることがあるとか。
「当初から、親しみやすい雰囲気を目指し、スタッフとも意識共有を密にしてきました。
おかげさまで、口コミサイトでよく評価いただくのは、フレンドリーなスタッフ、内装デザイン、ピザのおいしさといったところです。
接客のあり方を気に入っていただけているようでうれしいです」
店名に使用している「Trattoria(トラットリア)」は、イタリア語で「大衆的な料理店」という意味で、「Trattoria Bello」ではその名の通り、食堂のように日常的に利用してもらえるお店を目指してきたとのこと。
「欧米系のお客様では、ピザかパスタ1品にドリンク1杯といった頼み方をされる方が多いですね。
日本人のお客様の中には、居酒屋感覚で何品も注文してくださる方がいらっしゃいます」
注文状況を見ても、お客様はおおむね想定通りの使い方をしていると言えそうです。
現在、ディナーの客単価は、全体平均でUS10.00ドル(約1,080円)程度。
ランチは、サラダ食べ放題と1ドリンクが付くセットを頼まれる方が全体の半数程で、
ちなみに、人気は
ピザセット(Mサイズ:US8.50ドル・約918円、Lサイズ:US10.50ドル・約1,134円)か、
パスタセット(Mサイズ:US6.50ドル・約702円、Lサイズ:US7.50ドル・約810円)。
セット対象でないピザやパスタ、チキンカツレツなどのメニューは、単品でのオーダーも可能です。
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