インドネシア・ジャワ島中部の古都ジョグジャカルタに、一人の少女がいた。
彼女の名はジュワリヤーと言った。
だが、この名で呼ばれることはあまりない。
周囲の人々には「ユジュム」で通っていた。
ジャワ地方の伝統料理「ナシグドゥ」を路上で売るのが、彼女の仕事である。
「ナシグドゥ」とはジャックフルーツと鶏肉、玉子などを煮込んだものとご飯のセットで、ジョグジャカルタの人々にとってはポピュラーなメニューだ。
ユジュムはこの仕事を15歳の頃から始めた。
そんな地道な商売だから、ある日いきなり稼げることは絶対にない。
だがそれでも、ユジュムは働き続けてついに自分の店を持った。
レストランとも言えない町の大衆食堂であるが、それでも一国一城の主には違いない。
しかも20歳になるかならないかという年頃で店を持ったのだから、大した商才の持ち主である。
店の名前は、特にひねりを入れなかった。
『Gudeg Yu Djum(グドゥユジュム)』というシンプルな店名だ。
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