ホーム > トップインタビュー > 「鶏金」経営者インタビュー

「鶏金」経営者インタビュー

  • 友だち追加

52100152_253970575525503_3658204249377996800_n

 

1.シンガポールに出店したきっかけ

Q.海外進出をしたきっかけや、海外の中でもシンガポールを選んだ理由を教えてください!

もともと福岡で飲食店を13年やっていましたが、博多という立地上、ソウルや台湾などが近く、彼らの文化に触れる機会が多かったため海外を意識することが何度もありました。
そのため、起業当初から「日本のものを世界に広めたい」という思いがありました。

シンガポールを選んだ理由は、5年ほど前にシンガポール、ジャカルタ、ソウル、バンコク、北京、上海、台湾、クアラルンプールなど様々な国を視察した際、シンガポールの安全面や街の雰囲気、日本レストランが増加しているということに可能性を感じたためです。

また、個人的にはスペインが好きなのですが、ロバートソンの川沿いにあるバーやレストランが様々な国の人たちで賑わっている雰囲気がスペインのそれに似ていてとても気に入ったこともきっかけの1つでした。

Q.シンガポールでの現在の状況は?

シンガポールでは現在、Bukit Timahにある鶏金、River ValleyのUE Squareにある鶏金、Robertson WalkにあるTeppan bar Qの3店舗を出店しています。
日本人の配置は基本的に各店舗1~2名ずつで、他はローカルスタッフが運営しています。

鶏スキ鍋

2.出店当時のエピソード

Q.出店当初に苦労されたことはありますか?

コンサル会社等は使わずに、知り合いのつてに頼りながら立ち上げたので、言語の問題、スタッフの確保、法律の違い、工事業者への発注や工事の遅れ、物件の確保、食材の仕入れ等、店舗運営に関するあらゆることが大変でした。

最初の物件は、1年間で毎月1回市場調査しに渡星し、歩き回って現地での人脈を築き、そこで出会った方から引き継ぎという形で確保しました。

人材面に関しては、最初は日本から日本人の社員を2名派遣、日本人1名を現地採用し、この日本人3名を主軸として運営していました。
現地での経験がある人を採用できたので、出店当初に情報があまりない中でもなんとか立ち上げることができました。

Q.食材はどのように調達しているのでしょうか?

シンガポールに関しては、日本と同じような食材が現地で揃えられる環境にあります。
当社の場合、日本で成功した業態をそのまま持ってくるのではなく、現地の食材を試食して回った結果、鶏肉であれば日本の味を再現できるのではないかと感じたため、現在運営している博多鶏金という水炊きをメインにした業態が生まれました。
そのため、食材はほとんど現地で調達しています。

一方、日本の水炊き屋では、水炊き・唐揚げ・天ぷら・小鉢等のみの取り扱いが一般的ですが、シンガポールの和食店を回った結果、それだけでは勝負できないと感じました。
そこで、その他の料理(餃子鍋やしゃぶしゃぶなど)も揃えることで、シンガポール在住の日本人やシンガポーリアンにも喜んでもらえるのではないかと思ったので、それを反映してメニューを構成しています。

Q.出店して3年以上経ちますが、何か調整(ローカライズ)したことはありますか?

最初の店舗はシティエリアから車で20分程度かかるローカルエリアだったので、ローカル客をターゲットにしていたのですが、水炊きを知っているシンガポーリアンがほとんどいない状況でした。
文化的には、もともとチキンの鍋は存在していたものの、水炊きはその3~4倍の値段だったため、ローカルへの訴求・説明が非常に大変でした。
そのため、水炊きを含めて商品ラインナップを繰り返し試行錯誤しました。

最初は、日本人客が8~9割程を占めており、周辺に住んでいる日本人だけでなく、遠方からタクシーを使って来て頂いた方もいらっしゃいました。
そのような状況の中で、日本人が集まっていることがシンガポーリアンにも話題となり、本場の味ということで徐々に来て頂けるようになりました。
現在は7割程がローカル客、3割程が日本人になりました。
このように客層が変化していく中でも、常に価格設定や商品のボリューム感等試行錯誤しながら工夫を重ねてきました。

Q.シンガポールは飲食店の競争率が高く、退店するお店も多いですが、そのような中で長続きする秘訣はありますか?

一言で言うと、「変えるところは変えるものの、守るべきものは守っていく」ことでしょうか。
日本とは文化や環境が違うため、当然ローカライズしていくべきところはありますが、守るべきところは守ってきました。
飲食店を始める原点に立ち返り、日本での作り方や味、おもてなしのマインド等を大事にする一方で、現地に寄り添えるところは寄り添っていく。
この境界線がわかってきた時から、ローカルのお客様にも通って頂けるようになったのではないかと思います。

商品については、ローカルスタッフを含め多くの方にヒアリングを重ね、毎月来星した際に、改善を厳しく追求することも当時から変えていません。

Q.ホール、キッチン両方ともローカルスタッフがいますが、人材育成という面ではどのようにしているのでしょうか?

課題として、言語の壁、文化的背景の壁がありました。
日本人との対話では暗黙の了解のようなものがありますが、ローカルスタッフにはそれは通じないため、とにかく1つ1つ言葉にすることを意識しながらコミュニケーションを取るようにしています。

また、一番苦労した点は、お手本となる味をキッチンスタッフに理解してもらうことでした。
日本人であれば、子どもの頃から日本食を食べているため、味見をしながら調整することができますよね。
しかし、ローカルスタッフにはお手本となる味がわからないため、日本人スタッフが横について作り方を教えながら調理してもらい、味のチェックをして日々すり合わせをしていくことが大変でした。

サービスについても、お手本をやって見せ、実践してもらいフィードバックをするということを今も継続して繰り返しています。
日々実践を重ね、改善することでギャップを埋めていきました。

鶏金集合写真

3.今後、出店意欲がある方に向けて

Q.海外進出で気を付けるポイント、アドバイス等あったら教えてください!

シンガポールで気を付ける点としては、とにかく物価が高いことでしょうか。
その一方で、日本のものを好きな人が多いので、価格設定やボリュームのバランスが合えば、受け入れてくれると思います。

また、シンガポールは生活が比較的守られているので、日本人よりも可処分所得に占める外食費が多い傾向にあります。
また、日本よりも娯楽が少ないので、外食が大切な娯楽になっており、外食をする時間や場所を好む国民性があると思います。

いずれにせよ、どのような方に提供したいのか、ターゲットを明確にすることが大事だと思います。

4.今後の展望

Q.今後の展望やビジョンなど教えてください!

どの国、どの町に行っても欧米資本のカフェ、ファストフード等の出店が多いことに対して「なぜ日本の知名度は上がっているのに、そういったお店は無いのだろうか、もっと世界中の人たちに日本の良さを知ってもらいたい!」という思いが起業当初からありました。
そういった思いもあり、海外志向になったという面があったので、3年前に博多で抹茶を気軽に楽しめるカフェを作りました。
こちらを欧米やアジアに展開し、日本の良さを世界に発信していきたい、多くの国でパートナーと組んでノウハウを伝えていくことで日本のことを知ってもらいたいという思いがあります。

弊社の社名(Engine Partners)も、人と人をつなぐ「縁人」となり、その人のパートナーとなって成長の「エンジン」となるという思いから名付けました。
日本の良さを世界中に発信し、世界中の人に笑顔になってもらうことが夢です。

インタビューにご協力頂きありがとうございました。
社長イチオシのメニューは、やはり「水炊き」です!

水炊き

こちらの水炊き、マレーシアの銘柄鶏を使用しており、スープは毎日10時間煮込んでいるそうです!スープはコラーゲンたっぷりで美肌効果も高い!

ぜひ、鶏金こだわりの水炊きをご賞味ください!!

 

この記事を書いた人(著者情報)

rin

教えてASEAN編集部として日々経営者の方にインタビューさせていただいております!

Twitter、Facebook も毎日更新中です☺

  • 友だち追加

メインメニュー

教えてASEANコラム

お問い合わせ

お電話でのお問い合わせ
WEBでのお問い合わせ

人気記事ランキング

新着記事

国別で記事を探す

おすすめキーワードで記事を探す

ライター紹介

G-FACTORYグループは、ASEAN進出を目指す飲食店オーナー、
外国籍人材の採用を検討している飲食店様を全面サポートいたします。