街中のいたるところにミニサッカー場が点在するベトナムにおいて、もはやサッカーは国技と言っても過言ではない。
プロリーグや代表チームの競技レベルはさておくとして、サッカーの競技人口に限って言えば、他に競合する人気スポーツもないため、正式な統計こそないが、ベトナムのサッカー競技人口は、日本を上回るとみられている。
そんなベトナムで今年8月、新たに日系のサッカースクール「ルーヴェン・フットボールスクール・ベトナム」が開校した。
場所は、日本人駐在員とその家族が大勢暮らす首都ハノイ。
同市の人口は、2015年の統計によると、約760万人。
在留日本人は5000人以上で、その数は年々増えている。
日系企業の進出に伴い、日本人学校の生徒や日本人幼稚園の園児の数も右肩上がりだが、ベトナムには、子供が自由に体を動かせるような環境があまり整っておらず、安心して預けられる日系のスポーツクラブというのは、保護者からするとありがたい存在だ。
また、ベトナム人の保護者の間でも日本品質への信頼は高く、中間層や富裕層には、KUMONなど日本の学習塾が人気。
日本サッカーに対するリスペクトも非常に高いため、最近では、サッカースクールに子供を通わせるなら、日系や外資系にしようと考える親が増えているようだ。
日系では現在、ルーヴェンのほかにアミティエがホーチミン市とダナン市で活動中。
外資系では、アーセナルスクールが有名である。
一般社団法人フォーレンスポーツアカデミー傘下のルーヴェン・フットボールクラブは、日本で、高崎、京都、福岡に拠点があり、500名以上の子供が在籍。
ベトナムスクールで講師を務めるのは、26歳の井上寛太さん。
井上さんは、京都府出身の元プロサッカー選手。
京都サンガFCのアカデミーで育ち、13歳~17歳まで年代別日本代表に選出。
京都サンガFCユースと日本代表では、キャプテンを務めた。
井上さんはその後、立命館大学に進学し、JリーグAC長野パルセイロでプレーした後、単身渡欧。
トライアウトも含め、スロベニア、クロアチア、オーストリア、ドイツ、イタリアなど10ヵ国以上を渡り歩いた。
元日本代表、現ジュビロ磐田の中村俊輔選手も活躍した、スコットランド王者FCセルティックからも高評価を得て、キャンプに帯同した経験も持つ。
また、原口元気、酒井高徳、久保裕也、加藤恒平などヨーロッパで活躍する現役日本代表選手との親交も深い。
「本スクールでは、私が選手時代に培った経験と、ヨーロッパのアカデミーでの指導経験を活かし、子供の教育はもちろんの事、ヨーロッパのトレーニングメソッドを落とし込んだプログラムを提供します。」
「子供達に、挨拶する、話しを聞く、物を片付ける等のしつけは教育機関として当たり前に行います。本スクールでは、フットボールコーディネーション(サッカーの動きの中で、運動能力の向上、考えながら動く、体の使い方、バランスを養う)を中心に練習します。4歳~12歳までの体の基礎が出来上がる時期にしっかりとした育成を行い、未来へと繋げる事が大切です。」
「保護者の方々と積極的にコミュニケーションをとり、子供の情報を共有します。現場には、日本人、ベトナム人スタッフが常駐しておりますので、ご安心下さい。」と井上さんは語った。
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