前編ではマレーシアの投資・経済環境を整理しましたので、ここからは、同国で資産形成を行う際の具体例を、シミュレーションを交えてご紹介します。
前編はこちら→「沸騰するASEANに生きる!」(前編)
〈高金利な定期預金〉
まず1つ目が投資初心者向けに、手堅く安定運用できる銀行の定期預金です。
今回は、マレーシアの最大手の銀行グループであるメイバンク(Maybank)を例にとります。
同行の1年もの定期預金金利は2.85%[1]、利子は非課税となります。
ちなみに、日本の3大メガバンクの一角であるみずほ銀行の1年もの定期預金金利は0.01%です[2]。
日本では「老後に2,000万円必要」問題がありますので、毎月いくらの金額を積み立てると、30年後に2,000万円ほどの資産を貯めることができるかシミュレーションします。
ただし、あくまでシミュレーションのため、実際値と異なる可能性があることには留意が必要です。
今回は、運用益が非課税となるケースのため、金融庁のNISA特設サイト内に搭載されている「資産運用シミュレーションツール」を活用します[3]。
こちらのツールによると、利回り2.85%、積立期間30年、最終的な積立金額が2,045万円ほどになる毎月の積立金額は3.6万円です。
いかがでしょうか、2,000万円というと金額が大きく感じるかもしれませんが、毎月3.6万円であれば実現できそうに感じませんか。
なお、マレーシアで定期預金を活用した資産運用を行う場合のポイントとしては、各行ともキャンペーンを頻繁に行っているため、少しでも金利が高いときに申し込むことで、より効率的な資産形成を実践できるでしょう。
また、メイバンクはみずほ銀行と業務提携覚書を締結しているため[4]、マレーシアへ進出する際のサポートや、預入金額に応じた優遇金利を出してくれるかもしれません。
〈高配当株式投資〉
そして、マレーシアでの資産形成手法の2つ目が、定期預金よりはリスクをとる高配当株式投資です。
マレーシアの高配当株式投資は、安定成長を遂げる同国の成長の果実を十二分に享受することが期待できるでしょう。
また、デイトレーダーのように、頻繁に売買を繰り返すわけではないので、取引コストがかさむこともありません。
今回は、先ほどと同じくメイバンク(個別銘柄を推奨する意図はありません)を例に挙げますが、同行の配当利回りは6.46%となります[5]。
そこで、利回り6.46%、積立期間30年、最終的な積立金額が約2,000万円ほどになるように算出すると、毎月1.9万円を積立することになります。
定期預金と比較して、リスクをとる分、高いリターンも期待できることから、毎月の積立金額はより抑えられた金額になります。
原則、非居住者はマレーシアで銀行口座の開設ができませんが、就労ビザを有するマレーシア在住の方であれば、口座開設のハードルは大きく下がるかと思います。
また、株式投資を行う場合、一般的に銀行口座とは別に証券口座を開設する必要があります。
以上、マレーシアではキャピタルゲインと銀行預金金利に対して非課税となるため、より効率的な資産形成の実践を期待できると言えます。
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